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毎朝の米国株ノート

【米国株 10/16】AIの借金不安でナスダック2%急落

 ドクターとアゲハ

おはようございます。10月16日(金)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。

この日はハイテクが大きく売られました。ナスダック総合は2.14%安の26,140.03、S&P500は1.09%安の7,659.44、ダウ平均は175.28ドル安(0.34%安)の52,002.41です。S&P500とナスダックは、どちらも50日移動平均線を割って引けました(CNBC)。

ドクター

ドクター

ナスダック総合が2.14%安だと!?ワタシのAIトレーダーも震えておるぞ
アゲハ

アゲハ

ドクター落ち着いて。今日のキーワードは「AIの借金」なんだって

キーワードは「AIの借金」です。AIのデータセンターを借金で作ってきたCoreWeaveが11.91%安と売られ、半導体株のETF(SOXX)は4.14%安で9日続落でした。一方で、中東とウクライナの緊張で原油が上がり、WTI原油先物は3.51%高の101.41ドルで引けています(CNBC)。週間ではナスダックが4%超下げ、6月以来の悪い1週間になりました。

本日の結論は「弱気」を続けます。理由と具体的な行動は「本日の戦略」に、AIがデモ口座で回している売買は最後の「100万円チャレンジ」にまとめています。

今朝の市場日記

アゲハ

アゲハ

グロースとバリューって何がちがうの?
ドクター

ドクター

成長への期待で買われるのがグロース、割安さで買われるのがバリューなのだよ。この日はバリューの勝ちだ

金利・指標の読みです。この日は大きな経済指標がなく、材料はFRBのWarsh議長の発言でした。Warsh議長はバンコクのIMFの催しで話し、年内の利上げについては触れませんでした。市場はこれを「10月は金利を据え置く」というサインと受け取り、CME FedWatchでは10月27〜28日のFOMCでの据え置きの確率が82%です(CNBC)。目先はややハト派の材料で、連想は「利回り低下・ドル安円高・金高・グロース株に追い風」になります。

実際は、グロース株以外は当たりました。10年債利回りは5.10%から5.09%、2年債利回りは4.77%から4.74%に下がり、ドル指数は0.22%安、ドル円は157.99円(前日158.14円)とわずかに円高、金も上げています(米財務省・Yahoo Finance)。外れたのはグロース株で、AIの借金への心配と原油高のほうが強く効きました。なお、年内に少なくとも1回の利上げを見込む確率は77%超で(CNBC)、利上げの心配そのものは消えていません。

出典: CNBC(10/16市況ライブ)、CNBC(原油とホルムズ海峡)、CNBC(Bank of Americaのリスクオフの4つの理由)、Finviz(セクター別騰落)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(ナスダック100)、Yahoo Finance(ラッセル2000)、Yahoo Finance(IWF)、Yahoo Finance(IWD)、Yahoo Finance(TLT)、Yahoo Finance(金先物)、Yahoo Finance(ドル円)

1. 市場全体:AIの借金と原油高で売られた

主要指数の終値は以下のとおりです(CNBC・Yahoo Finance)。

ドクター

ドクター

VIXは恐怖指数と呼ばれるのだ。取引中は22.31まで上がったぞ
アゲハ

アゲハ

4カ月ぶりに22超えとか、マジ怖いじゃん

寄り付き直後はS&P500が0.1%高、ダウは188ドル高と上げて始まりましたが、午後にかけて売りが強まりました(CNBC)。週間では、S&P500が約2%安、ナスダックが4%超安で6月以来の悪い1週間、ダウだけが0.7%高でした。

金利・商品・為替は以下のとおりです。

CoreWeaveの借金が市場全体の心配に

CoreWeaveは、AI向けの計算資源を貸す「ネオクラウド」と呼ばれる会社です。AIの設備のために借りたお金は510億ドルを超えています(CNBC)。前日には、債務不履行に備える保険(CDS)の5年物の上乗せ金利が一時1,140ベーシスポイントを超え、一般に「経営が苦しい」とされる1,000ベーシスポイントの水準を上回りました。2031年に返す社債の利回りも15.78%まで上がっています(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

CDSって何?ウチ初めて聞いたんだけど
ドクター

ドクター

債務不履行に備える保険なのだよ。上乗せ金利が上がるほど、危ないと見られているわけだ

この日の株価は11.91%安の61.39ドルで、週間の下げは20%を超えました。同じネオクラウドのNebiusは12.18%安、IRENは11.19%安です(Yahoo Finance)。CNBCは「AIの設備のための借金が多すぎるのではないか」という心配が投資家に広がっていると伝えています。Deutsche Bankのアナリストは「こうした心配は自己実現的な予言になりやすく、ほかのAI関連の銘柄にも問題を広げかねない」と指摘しました(CNBC)。

原油は101ドル、インフレの心配が続く

イランがホルムズ海峡で船への攻撃を強め、日曜以降に少なくとも9隻のタンカーや貨物船が攻撃を受けました。ウクライナはロシアの製油所への攻撃を続けると表明しています(CNBC)。ブレント原油は取引中に5月以来の110ドルをつけました。

今週は9月のPPIが2022年以来の伸びになり、CPIも前年比3.7%と高いままです(CNBC)。Bank of AmericaのMichael Hartnett氏は、高い利回り、原油高、中間選挙、AI関連株の値動きの4つを理由に、この先1カ月は「リスクオフ」で臨むとしています(CNBC)。

出典: CNBC(10/16市況ライブ)、CNBC(CoreWeaveのCDS)、CNBC(原油とホルムズ海峡)、CNBC(VIXの急上昇)、CNBC(Bank of Americaのリスクオフの4つの理由)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(CRWV)、Yahoo Finance(NBIS)

2. セクター動向:エネルギーが上げ、テクノロジーが下げ

Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

ドクター

ドクター

ククク、エネルギーが2.59%高!石油株を買いたいのだが
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。Chevronも今は見送りって後で書いてあるじゃん

11のうち6セクターが上げ、指数ほどには全面安ではありません。CNBCによると、取引中のS&P500は値下がりが約280銘柄、値上がりが222銘柄でした。読みどころは3つです。

1つ目は、エネルギーです。業種別の上位は石油・ガスの探鉱・生産が3.42%高、総合石油が2.85%高、パイプラインが2.76%高と、石油がそろって並びました(Finviz)。Chevronは2.59%高、Exxon Mobilは2.46%高です(Yahoo Finance)。CNBCも、Chevronなどのエネルギー株がダウの下げを小さくしたと伝えています。

2つ目は、守りの業種です。業種別ではたばこが2.61%高、ガスの公益が1.99%高、清涼飲料が1.99%高、損害保険が1.96%高でした(Finviz)。Philip Morrisは2.65%高、Altriaは1.72%高です(Yahoo Finance)。

3つ目は、テクノロジーの中身です。業種別の最下位はコンピューターのハードウェアで5.99%安、ほかに電気部品が3.66%安、インフラ系のソフトウェアが3.49%安、半導体の製造装置・材料が3.47%安、半導体が3.34%安でした(Finviz)。前日は買われたソフトウェアのETF(IGV)も4.80%安と売られ、「半導体からソフトウェアへ」の乗り換えもこの日は続きませんでした(Yahoo Finance)。

出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、CNBC(10/16市況ライブ)、Yahoo Finance(IGV)、Yahoo Finance(XOM)、Yahoo Finance(PM)

値動きの大きかった銘柄

終値の騰落はYahoo Finance、理由はCNBCです。

出典: CNBC(10/16の日中の値動き)、CNBC(10/16の寄り付き前の値動き)、Yahoo Finance(FOXF)、Yahoo Finance(NFLX)、Yahoo Finance(AA)、Yahoo Finance(TRV)

3. 注目個別銘柄

テクニカルの数字は、Yahoo Financeの日足から筆者が計算した値です(移動平均線は終値の単純平均、RSIは14日、出来高は前日までの20日平均との比較)。

CoreWeave(CRWV)

企業概要

ドクター

ドクター

RSIは29.46で売られすぎなのだ。ここで拾えば反発を取れるのでは!?
アゲハ

アゲハ

型なし=見送りでしょ。決算も11月9日で近いし、ナシ
ドクター

ドクター

ぐぬぬ……データは嘘をつかない、か

AI向けの計算資源(GPUのサーバー)をクラウドで貸す会社で、「ネオクラウド」と呼ばれます。大手のクラウド会社とも契約しています。直近12カ月の売上高は75億9,000万ドル、純損失は19億3,000万ドルの赤字です。設備投資は205億7,000万ドルで、フリーキャッシュフローは136億6,000万ドルのマイナスです(StockAnalysis)。

下落の要因:借金への不安

借金と契約上の支払いの合計は510億ドルを超え、CDSは前日に「経営が苦しい」とされる水準に入りました(CNBC)。会社のCEOは社内メモで「1,000億ドルを超える受注残が、すべての債務の返済を十分に支える」と反論しています。受注残の約3分の2はMicrosoftなど格付けの高い相手との契約だと、Deutsche Bankは指摘しました(CNBC)。問題は需要ではなく、キャッシュフローが借金に追いつくかどうかです。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまる型はありません(型なし=見送り)。4本の移動平均線がすべて上にあって下向き、チャネルも引けません。RSIは売られすぎですが、価格とRSIのダイバージェンスも出ていません。下の帯59.5〜60.6ドルは3回効いていますが、帯の外に損切りを置く根拠がこれ1つだけで、決算も11月9日と近づいています。

考えを変える条件は2つです。終値で59.5ドルを割れば、過去1年の安値を更新したと見て、底探しが続くと考えます。反対に、帯で下げ止まって終値で5日線(70.99ドル)を取り戻せば、ここで初めて底を作る形を探し始めます。この銘柄の値動きは、AI関連の株全体の温度計として見ておきます。

出典: CNBC(CoreWeaveのCDS)、CNBC(10/16市況ライブ)、StockAnalysis(CRWVバリュエーション)、Yahoo Finance(CRWV)

Micron Technology(MU)

企業概要

アゲハ

アゲハ

レンジ下限型ってどういうこと?
ドクター

ドクター

上下の帯で計8回止まった箱の、下の端で拾う型なのだよ
アゲハ

アゲハ

でも帯で陽線が出るまでは待ち。それまでは入らないかんね

米国最大のメモリー半導体の会社です。AIのサーバー向けの高速メモリー(HBM)などで利益を伸ばしています。直近12カ月の売上高は1,331億9,000万ドル、純利益は849億7,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:半導体の売りが続いた

CNBCは、この日の半導体株の下げはMicronが先導したと伝えています。今週は、中国の会社との競争や、数年後にメモリーが供給過剰になるという心配で半導体株が売られてきました。VanEckの半導体ETF(SMH)は9日続落で、2006年以来の連敗です(CNBC)。この日のMicron自身の新しい発表は、取得した記事の中にはありませんでした。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまりそうなのは「レンジ下限型」です。上下の帯で計8回の反応があってレンジは確定しており、株価は200日線の上です。この日はレンジの下の帯の少し上まで下げてきました。

自分なら、次のように見ます。

帯の上の921ドルを終値で取り戻せば、次は75日線の958ドル、その先はレンジの上の帯が目安になります。ただ、半導体ETFの連敗は止まっておらず、帯での陽線もまだ出ていません。連敗が止まり、帯で陽線が出るまでは待ちです。考えを変える条件は、終値で844ドルを割ることです。その場合はレンジが下に崩れたと見て、計画を取り下げます。

出典: CNBC(10/16市況ライブ)、CNBC(来週の決算と市場の心配)、StockAnalysis(MUバリュエーション)、Yahoo Finance(MU)

Chevron(CVX)

企業概要

米国2位の石油大手です。原油・天然ガスの探鉱と生産から、精製・販売までを手がけます。直近12カ月の売上高は2,093億8,000万ドル、純利益は205億9,000万ドルです(StockAnalysis)。

上昇の要因:原油が100ドルを超えた

イランのホルムズ海峡での攻撃とウクライナのロシア製油所への攻撃で、WTI原油は3.51%高の101.41ドルになりました(CNBC)。米国では、ハリケーンでメキシコ湾岸の生産が止まり、10月9日までの週の商業在庫が800万バレル超減ったことも原油高の材料です(CNBC)。CNBCは、Chevronなどのエネルギー株がダウの下げを小さくしたと伝えています。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

今は型に当てはまりません(見送り)。高値を更新したばかりでRSIは買われすぎ、上がった日の出来高も平均以下です。

自分なら、上に抜けた帯までの押しを待ちます。

RRが1.5に届かず、アナリストの平均目標株価も今の株価のすぐ上です。決算も10月30日と近く、押しを待つ間に決算をまたぐおそれがあります。原油と一緒に動く銘柄なので、原油が下がる日には押しが早く来ることもあります。考えを変える条件は2つです。終値で213ドルを割れば、抜けがダマシだったと見て200.8〜203ドルの帯までの下げを考えます。反対に、決算を通過してから帯で支えられれば、改めて入る位置を探します。

出典: CNBC(原油とホルムズ海峡)、CNBC(10/16市況ライブ)、StockAnalysis(CVXバリュエーション)、Yahoo Finance(CVX)

4. 本日の戦略:「弱気」を続ける

本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「10年債が終値で5.0%を割り、SOXXの連敗が止まれば『やや弱気』に戻す」「10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら現金の比率をさらに上げる」と決めていました。10年債は5.09%で5.0%を割らず、SOXXは9日続落なので「やや弱気」には戻しません。VIXは取引中に22.31まで上がりましたが、終値は19.99と20をわずかに下回りました。終値の条件には当たりませんが、ほぼ当たったものとして、現金を多めに持つ方針を続けます。理由は3つです。

アゲハ

アゲハ

まとめると「弱気」続行ね。VIXは終値19.99で、20をギリ下回ったって
ドクター

ドクター

ほぼ当たりとみて現金を多めに持つのだ。覚えておきたまえ、守るのも戦略だ

1つ目は、AIの借金への心配です。CoreWeaveのCDSは「経営が苦しい」水準に入り、Oracleの5年物CDSも1週間で約10%上がりました(CNBC)。心配がAI関連の他の会社に広がるかどうかが、この先の焦点です。

2つ目は、原油とインフレです。WTIは週間で10%超上げて100ドルを超えました。CPIとPPIに続いて原油が上がれば、利上げの心配は強まります。年内の利上げの確率は77%超です(CNBC)。

3つ目は、下げの広がりです。前日は「ハイテクから守りへの乗り換え」で指数を支えましたが、この日はソフトウェアのETF(IGV)も4.80%安で、ラッセル2000も1.66%安でした。CNBCによると、小型株は水曜に高値から10%以上下げた「調整」に入っています。

前回の記事で取り上げた3銘柄の答え合わせです(終値はYahoo Finance)。

この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。

前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はYahoo Finance)。

監視項目は以下の5つです。CoreWeaveとOracleのCDS、半導体ETFの連敗が止まるか、WTI原油の100ドル、VIXの20、10月27〜28日のFOMCへ向けた利上げの確率を見ます。来週は10月20日にNetflix、21日にテスラ・Meta・Lam Research・Texas Instruments・IBM、22日にProcter & Gambleが決算を出します(CNBC)。10年債が終値で5.0%を割り、半導体ETFの連敗が止まれば「やや弱気」に戻すことを考えます。VIXが終値で20を超えるか、10年債が5.35%を終値で超えるなら、現金の比率をさらに上げます。

出典: CNBC(CoreWeaveのCDS)、CNBC(来週の決算と市場の心配)、CNBC(Bank of Americaのリスクオフの4つの理由)、Yahoo Finance(TSM)、Yahoo Finance(CRM)、Yahoo Finance(WMT)、Yahoo Finance(AMD)

5. 100万円チャレンジ(デモ口座)

AIがデモ口座(仮想資金100万円)で実際に売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。米国株を買いだけで売買し、損切りと利確の価格を入る前に決めています。

アゲハ

アゲハ

報告!デモ口座でDeereが647.82ドルで約定。でも3銘柄そろって入値の下なんだけど
ドクター

ドクター

仮想の100万円が……!損切りの価格を少しずらしたいのだが
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。損切りは入る前に決めたとおりね

成績(SBI証券の手数料込み)

今朝のAIの判断

10月16日の朝(日本時間7時32分)のAIの見立ては「慎重」でした。AIの言葉では「指数は200日線の上で、VIXも16台と落ち着いているが、半導体・AI関連から資金が抜け、業種による差が大きい。決算の近い大型株を避け、バリュー寄りで線が重なる押し目の指値に絞る」。判断の材料には、バリューが0.8%高でグロースが横ばいという前日の差、ヘルスケア・金融・素材の強さ、半導体の急落とCoreWeaveのCDSの警戒水準、10月下旬に大型ハイテクの決算が集中することを挙げています。

候補10銘柄(うち1つは保有中のAmazon)を見て、AIが採用したのは2件でした。

見送りの主な理由は以下のとおりです。

リスク規則(手数料込みRR・損失1%・決算前)で外れた計画はありませんでした。

夜中の約定・決済

保有中

一言の振り返り

見立ての「半導体・AIを避ける」は、この日の値動きに合っていました。候補にあったAMDを見送ったのは、結果から見て正しい判断です。一方で、採用したDeereは約定した後に地合いの悪さに押され、保有中の3銘柄はそろって入値の下にあります。指数が崩れる日は、線が重なる押し目でも一緒に下げます。損切りの価格は入る前に決めてあるので、あとは計画どおりに待つだけです。