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毎朝の米国株ノート

【米国株 10/8】OpenAI売上報道でAI株に売り ナスダック1%安

 ドクターとアゲハ

おはようございます。10月8日(木)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。

この日は指数の明暗が分かれました。ナスダック総合は1.25%安の27,193.34、S&P500は0.47%安の7,765.36です。一方でダウは51.77ドル高(0.10%高)の51,231.64と、小さく上げて終えました。

アゲハ

アゲハ

ドクター、報告!ナスダック1.25%安なのに、ダウだけ51.77ドル高だったんだけど
ドクター

ドクター

AI株が売られたのだよ。OpenAIの売上の数字ひとつでな……

主役はAI株の売りです。OpenAIの年換算の売上高が、先月広く報じられた680億ドルではなく約500億ドルだったと伝わりました(CNBC)。Oracleは5.13%安、Nvidiaは2.90%安、AMDは3.90%安と、AIに関わる銘柄が軒並み売られました。

原油も上がりました。トランプ大統領がイランとの取引を望まないと述べ、ブレント原油は4.07%高の104.28ドルです(CNBC)。一方で、10年債の利回りは5.22%と前日の5.28%から下がりました(米財務省)。

個別では、Goldman Sachsの格上げを受けたPalantirが2.40%高、Starbucksによる買収の検討が報じられたChipotleが6.21%高と逆行高でした。

本日の結論は「弱気」を続けます。10年債は下がりましたが、FRBの幹部からは利上げを支持する発言が続きました。理由と具体的な行動は最後の「本日の戦略」にまとめています。

1. 市場全体:AI株の売りでナスダックが1%超の下げ

主要指数の終値は以下のとおりです。

金利・商品は以下のとおりです。

S&P500とナスダックは今週、最高値を更新したばかりです。Bairdのメイフィールド氏は、株は「かなり底堅い」と話す一方で、長い金利が「それほど大きく上がらなくても」株にとって大きな逆風になると見ています(CNBC)。

OpenAIの売上は「約500億ドル」

この日の売りのきっかけは、OpenAIの売上の数字です。要点は以下のとおりです(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

680億ドルじゃなくて約500億ドルって、差がデカすぎじゃん
ドクター

ドクター

提携先を通じた売上の総額も含まれていたのだよ。数字は中身まで見たまえ

D.A. Davidsonのルリア氏は「OpenAIが今年売上を3倍にしたことは心配していない」と話しています(CNBC)。同氏によると、OpenAIとAnthropicの2社の年換算の売上は合わせて約1,200億ドルで、2年前はほぼゼロでした。

原油:トランプ大統領の発言で上下

原油は大きく動きました。要点は以下のとおりです(CNBC)。

出典: CNBC(10/8市況ライブ)、CNBC(OpenAIの売上とAI株)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(ラッセル2000)、Yahoo Finance(金先物)

金融政策:FRBの幹部から「追加の利上げ」

前日のFOMCの議事要旨に続き、FRBの幹部からも利上げを支持する発言が続きました(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

追加の利上げって、金利が下がるのを待ってたウチらにはキツくない?
ドクター

ドクター

ウォラー理事もムサレム総裁も支持した。株には逆風なのだよ

30年債の入札は、前日の10年債ほど強くありませんでした。落札の利回りは5.618%で、9月の入札の5.308%から0.31ポイント上がりました(CNBC)。Wells Fargoのミアノ氏は「需要が壊れたわけではないが、短い期間と中間に集中している」と話しています。

経済指標:失業保険の申請は低いまま

10月3日までの週の新規の失業保険の申請件数は19万7,000件でした。前の週から2,000件減り、予想の20万件を下回りました(CNBC)。継続の申請は1万7,000件増えて172万件です。解雇の少ない状態が続いています。

出典: CNBC(10/8市況ライブ)

2. セクター動向:エネルギーが上げ、テクノロジーが下げ

Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

アゲハ

アゲハ

エネルギー2.59%高で、テクノロジー1.90%安。真逆じゃん
ドクター

ドクター

資金がAI株から守りへ移ったのだよ。セクター表は相場の地図だ

前日とは逆に、5セクターが上がりました。読みどころは3つです。

1つ目は、AIに関わる銘柄の売りです。業種別では半導体が3.53%安、電子部品が3.51%安、コンピューターのハードが2.92%安と下位に並びました。電力会社(独立系発電)も4.87%安で、データセンター向けの電力の銘柄も売られました。終値では、CoreWeaveが7.77%安、Intelが5.34%安、Broadcomが4.35%安、Coherentが9.63%安、Bloom Energyが6.34%安です(StockAnalysis)。

2つ目は、原油高を受けたエネルギーの買いです。業種別では石油の精製・販売が4.16%高と首位でした。Marathon Petroleumは4.77%高、Chevronは3.12%高です(StockAnalysis)。

3つ目は、守りの銘柄への資金の移動です。生活必需品は2.17%高で、たばこが3.50%高、清涼飲料が2.57%高でした。PepsiCoは予想を上回る決算で3.97%高です(StockAnalysis)。保険の業種もそろって2%台の上げでした。

ビットコインの採掘の会社も売られました。ビットコインの下げに加え、AIのデータセンターへの事業の広げ方が見直されたためです(CNBC)。Riot Platformsは9.17%安でした(StockAnalysis)。

出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、CNBC(10/8の値動きの大きい銘柄・日中)

値動きの大きかった銘柄

出典: CNBC(10/8の値動きの大きい銘柄・取引開始前)、CNBC(10/8の値動きの大きい銘柄・日中)、CNBC(10/8市況ライブ)

3. 注目個別銘柄

Oracle(ORCL)

企業概要

ドクター

ドクター

予想PER16倍台か。ワタシはもう拾いたくてウズウズするのだが
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。145.46ドルを取り戻すまで見送りでしょ

米国の大手のソフトウェアの会社です。企業向けのデータベースが祖業で、今はクラウドの基盤(OCI)を伸ばしています。AIのデータセンターの事業も手がけます。直近12カ月の売上高は717億8,000万ドル、純利益は187億4,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:OpenAIの売上の数字でAI株と一緒に売られた

OpenAIの年換算の売上高が約500億ドルと、先月報じられた680億ドルを下回ったと伝わりました。これを受けてNvidia、CoreWeaveなどAIの銘柄が売られ、Oracleは取引中に6%下げたとCNBCは伝えています。終値では5.13%安でした。

前回の記事では「50日線のすぐ上。割り込むかを見ます」と書いていました。この日の下げで、50日線をはっきり割り込みました。なお、10月9日が配当の権利落ち日です(StockAnalysis)。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

安値の近くで引け、出来高も平均を上回りました。株価は50日線と200日線の両方の下にあります。過去1年の高値からは約58%下です。

売買戦略

予想PERは16倍台と、過去1年で半分以下になった株価は数字の上では安く見えます。ただこの日は、AIの事業への期待が揺らぐと真っ先に売られる銘柄だと改めて分かりました。出来高をともなって50日線を割った直後に買うのは避けます。新しい買いは見送り、50日線の145.46ドルを終値で取り戻す場面で改めて検討します。

出典: CNBC(OpenAIの売上とAI株)、StockAnalysis(ORCL株価)、StockAnalysis(ORCLバリュエーション)、StockAnalysis(ORCL概要)

Palantir Technologies(PLTR)

企業概要

アゲハ

アゲハ

AI株が売られた日に上げたの、マジで逆行じゃん
ドクター

ドクター

フハハハ、Goldman Sachsの格上げだ!ただし予想PERは102.39倍だがな

データの分析のソフトウェアの会社です。政府向けの「Gotham」、企業向けの「Foundry」、AIを業務に組み込む「AIP」を提供しています。顧客の現場に技術者を送り込んで使い方を作り込む手法が特徴です。直近12カ月の売上高は61億6,000万ドル、純利益は30億2,000万ドルです(StockAnalysis)。

上昇の要因:Goldman Sachsが「買い」に格上げ

Goldman Sachsのボルヘス氏が、投資判断を「中立」から「買い」に上げました。12カ月の目標株価は230ドルです(CNBC)。要点は以下のとおりです。

AI株が全体に売られる中で、上げて終えた数少ない銘柄の一つでした。株価は過去3カ月で約47%上がっています(CNBC)。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

取引中に204ドル台まで上げましたが、上げ幅を縮めて引けました。RSIは買われすぎの目安の70の手前です。過去1年の高値まで約4%です。

売買戦略

予想PERは100倍を超え、この日の3銘柄で一番高い水準です。アナリスト平均の目標株価にもほぼ届いています。長い金利が高い間は、こうした割高な株は振れが大きくなります。高値を追うのは避け、前日の終値の194.12ドル前後への押しで小さく打診します。10月7日の安値の190.11ドルを終値で割り込むなら見送ります。

出典: CNBC(Goldman SachsのPalantir格上げ)、StockAnalysis(PLTR株価)、StockAnalysis(PLTRバリュエーション)

Chipotle Mexican Grill(CMG)

企業概要

ドクター

ドクター

ククク、買収のうわさで6.21%高!乗るなら今ではないか、キミ
アゲハ

アゲハ

実現の確率は約20%って見方じゃん。うわさで入るのはナシ

米国のファストカジュアルのメキシコ料理のチェーンです。ブリトーやボウルを、注文を受けてその場で作ります。店の多くを自社で運営しています。直近12カ月の売上高は124億2,000万ドル、純利益は14億2,000万ドルです(StockAnalysis)。

上昇の要因:Starbucksによる買収の検討が報じられた

Starbucksが、ここ数カ月アドバイザーとChipotleの買収の提案を検討してきたとFinancial Timesが報じました(CNBC)。要点は以下のとおりです。

買い手のStarbucksは取引中に5%下げましたが、終値では0.40%安の93.21ドルまで戻しました(CNBC・StockAnalysis)。William Blairは、借り入れ中心で買えば借金が利益の約6倍に膨らむと試算しています。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

大商いで上げましたが、株価はまだ50日線と200日線の下にあります。50日線まで約6%です。

売買戦略

上げの材料は買収のうわさだけで、実現の確率は約20%という見方もあります。うわさで上げた分は、否定されればすぐに消えます。新しく買うのは見送ります。10月28日の決算で客足の戻りを確認し、50日線の34.53ドルを上抜ける場面で改めて検討します。

出典: CNBC(Starbucksによる買収の検討)、CNBC(10/8の値動きの大きい銘柄・日中)、StockAnalysis(CMG株価)、StockAnalysis(CMGバリュエーション)、StockAnalysis(CMG概要)

4. 本日の戦略:「弱気」を続ける

本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら現金の比率をさらに上げる」「5.2%を割り込めば『やや弱気』に戻す」と決めていました。10年債は財務省の公表値で5.22%と、5.2%の手前で止まりました。VIXも15.41です。どちらの目安にも届いていません。理由は3つです。

アゲハ

アゲハ

まとめると、10年債は5.22%でどの目安にも届かず、弱気キープってことね
ドクター

ドクター

そうだ。新しい買いを絞り、持ち高を軽くする。覚えておきたまえ

1つ目は、FRBの利上げの姿勢です。ウォラー理事とムサレム総裁がそろって追加の利上げを支持しました。前日の議事要旨と合わせ、金利が下がる材料はまだ見えません。

2つ目は、AI株の弱さです。OpenAIの売上の数字ひとつで、半導体の業種が3.53%下げました。これまで相場を引っ張ってきたAI株への期待が、数字で確かめられる段階に入っています。

3つ目は、原油の高さです。ブレント原油は104ドル台に戻りました。Bairdのメイフィールド氏は、エネルギーが物価を押し上げ、長い金利を動かしていると話しています。

一方で、10年債と30年債の利回りは下がり、ダウとラッセル2000は小さく上げました。売られたのはAI株で、エネルギーや生活必需品には資金が向かっています。前回に続き、新しい買いを絞り、持ち高を軽くすることを優先します。

そのうえで、この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。

前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はStockAnalysis)。

監視項目は以下の5つです。米10年債5.35%と5.2%、VIX20、ブレント原油100ドル、半導体の業種の動き、来週から始まる決算を見ます。10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら、現金の比率をさらに上げます。10年債が5.2%を割り込めば「やや弱気」に戻します。

来週はJPMorganなど大手の金融から7〜9月期の決算が始まり、15日にはTSMCの決算もあります。AI株への期待は、これからは数字で確かめられます。新しい買いは、材料のある銘柄を押した場面で小さくに限ります。

5. 100万円チャレンジ(デモ口座)

AIがデモ口座(仮想資金100万円)で売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。

アゲハ

アゲハ

デモ口座の報告!仮想の100万円、今朝の新しい注文は0件だったよ
ドクター

ドクター

なぜだ!MicrosoftとMetaを提案したではないか
アゲハ

アゲハ

手数料を入れたら条件を満たさなくて、プログラムが止めたの。ルールどおりじゃん

今朝のAIの判断

10月8日の朝(日本時間7時31分)のAIは、Microsoft(指値518.5ドル)とMeta(指値692ドル)の2件を提案しました。AIの言葉では「大きな流れは上向き。ただし小型株と景気敏感株が弱く、地合いは少し悪い。追いかけて買う注文は出さず、大型株の深い押し目に指値を置く」。

ただ、2件ともSBI証券の手数料を入れると条件を満たさず、リスク規則のプログラムが発注を止めました(1株も買えない計算になった)。新しい注文は0件です。

夜中の約定・決済