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毎朝の米国株ノート

【米国株 10/9】SpaceXの通信参入でVerizon急落

 ドクターとアゲハ

おはようございます。10月9日(金)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。

この日は3指数がそろって反発しました。ダウは423.31ドル高(0.83%高)の51,654.95、S&P500は0.59%高の7,811.54、ナスダック総合は0.64%高の27,366.17です(CNBC)。前日に売られたソフトウェアやAmazon、Microsoftが買い戻されました。

アゲハ

アゲハ

ドクター、指数は反発したのに結論は弱気のままなんだ?
ドクター

ドクター

10年債は5.24%と高いままなのだよ。一日の反発で判断は変えないのだ

一方で、通信株は歴史的な下げになりました。SpaceXが全米の周波数の取得を発表し、携帯電話の競争が激しくなるとの見方から、Verizonは8.75%安と2002年7月以来の大きな下げです。T-Mobileは13.27%安、AT&Tは9.81%安でした(CNBC)。

本日の結論は「弱気」を続けます。株は反発しましたが、10年債の利回りは5.24%と高いままで、消費者の予想するインフレ率も上がりました。理由と具体的な行動は「本日の戦略」に、AIがデモ口座で回している売買は最後の「100万円チャレンジ」にまとめています。

今朝の市場日記

アゲハ

アゲハ

通信会社の業種が7.71%安って、マジでヤバくない?
ドクター

ドクター

SpaceXの周波数の取得で、お金が電波塔やソフトウェアへ移ったのだよ

金利・指標の読みです。ミシガン大学の10月の消費者信頼感は46.3と記録の上で2番目の低さで、1年先の予想インフレ率は4.7%と5月以来の高さに上がりました(CNBC)。景気は弱いのに物価の見通しは上がる組み合わせで、FRBが利下げをしにくいタカ派の材料です。連想は「利回り上昇・ドル高円安・金安・割高なグロース株に逆風」になります。

実際は半分だけ当たりました。2年債の利回りは4.75%から4.80%に、10年債は5.22%から5.24%に上がり(米財務省)、ドル円も158.06円から158.25円とわずかに円安でした(Yahoo Finance)。外れたのは金とグロース株で、どちらも上がっています。金については、トランプ大統領がFRBのクック理事を調べる委員会を作ったと伝わり、FRBの独立性への不安が意識された可能性があります(筆者の推測)。グロース株は、前日の大きな下げの反動の買い戻しが勝った形です。

出典: CNBC(10/9市況ライブ)、Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、Yahoo Finance(IWF)、Yahoo Finance(IWD)、Yahoo Finance(ナスダック100)、Yahoo Finance(金先物)、Yahoo Finance(ドル円)、米財務省(国債利回り)、CNBC(クック理事の調査委員会)

1. 市場全体:3指数が反発、週間でもプラス

主要指数の終値は以下のとおりです。

1週間では、S&P500が約1.2%高、ダウが0.9%高、ナスダックが0.6%高と、3指数とも週間でプラスでした(CNBC)。長い期間の国債の利回りが24年ぶりの高さをつけた週でしたが、株は持ちこたえています。

金利・商品・為替は以下のとおりです。

株が一日の高値をつけたのは、トランプ大統領が、ロシアのプーチン大統領が米国と世界の市場にディーゼル燃料を供給することに同意したと話した後でした(CNBC)。原油は清算の後、この発表で少し下げています。

前日のAI株の売りについて、Vital Knowledgeのクリサフリ氏は「AIに関わるハイテク株全体が、V字ですぐに戻るとは考えにくい」と書いています(CNBC)。実際、この日に上げたのはソフトウェアが中心で、Nvidiaは0.52%安、AMDは2.03%安と半導体の戻りは鈍いままでした(Yahoo Finance)。

SpaceXが周波数を取得、通信株が急落

この日の一番のニュースは、SpaceXの通信事業への本格的な参入です。要点は以下のとおりです(CNBC)。

ドクター

ドクター

Verizonが2002年7月以来の下げだと…!ワタシの想定を超えているぞ
アゲハ

アゲハ

でもJPMorganは、短期のリスクは「限られる」って見てるじゃん

経済指標:消費者信頼感は記録で2番目の低さ

ミシガン大学の10月の速報は以下のとおりです(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

景気が弱いのに予想インフレ率は上がるって、どういうこと?
ドクター

ドクター

それがタカ派の材料なのだよ。FRBは利下げしにくくなる。覚えておきたまえ

FRBの消費者の家計の調査では、借金の返済が遅れている家庭の割合が、2010年の調査以来で最も高くなりました(CNBC)。

金融政策:利上げの見方が続く

債券の市場では、まだ利上げを見込む声が出ています。スイスのUBPは、FRBは少しずつ引き締めを進め、2027年後半より前の利下げは考えにくいと見ています(CNBC)。来週から決算を出す大手の銀行の株は、8月中旬の高値から銀行株ETF(KBWB)で12%下がりました。MAI Capitalのグリサンティ氏は「銀行株の下げは、この先も利上げがあるという市場の見方の表れ」と話しています(CNBC)。

出典: CNBC(10/9市況ライブ)、CNBC(SpaceXと通信株)、CNBC(銀行株の下げ)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(ラッセル2000)、Yahoo Finance(WTI原油)、Yahoo Finance(ブレント原油)

2. セクター動向:一般消費財が上げ、通信が下げ

Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

前日とほぼ逆の並びで、11のうち9セクターが上がりました。読みどころは3つです。

1つ目は、通信会社の崩れと電波塔の上げです。業種別では、通信サービスが7.71%安と最下位でした。一方で、電波塔を含む特殊REITは4.18%高と上位です。同じSpaceXのニュースで、通信会社から電波塔へ資金が動きました。

2つ目は、前日に売られたソフトウェアとネット通販の買い戻しです。業種別では、ネット通販が3.30%高、インフラのソフトウェアが3.02%高でした。CNBCによると、Palo Alto Networksは5%、CrowdStrikeは4%、Palantirは5%上げ、Amazonは3%、Microsoftは2%上げています。

3つ目は、銅とヘルスケアです。業種別の首位は銅で4.65%高でした。CNBCによると、いくつかの大きな鉱山のストライキで銅の供給が細るとの見方があります。ヘルスケアはMerckやGilead Sciencesが2%超上げ、ワクチン株も上がりました。

出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、CNBC(10/9市況ライブ)

値動きの大きかった銘柄

出典: CNBC(10/9の値動きの大きい銘柄・日中)、CNBC(10/9市況ライブ)、StockAnalysis(MRNA株価)、Yahoo Finance(AAPL)、Yahoo Finance(DAL)

3. 注目個別銘柄

テクニカルの数字は、Yahoo Financeの日足から筆者が計算した値です(移動平均線は終値の単純平均、RSIは14日、出来高は前日までの20日平均との比較)。

Verizon Communications(VZ)

企業概要

ドクター

ドクター

RSIは21.75!売られすぎだ、今こそ拾い時では!? ククク
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。10月26日に決算あるし、帯で止まったのもまだ3回じゃん
ドクター

ドクター

ぐぬ…配当利回り6.80%が目の前にあるというのに…

米国の大手の通信会社です。携帯電話と、家庭や企業向けのブロードバンドが主な事業です。直近12カ月の売上高は1,389億ドル、純利益は161億7,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:SpaceXの参入で、競争が激しくなるとの見方

SpaceXが全米の800MHz帯の周波数を買うと発表し、Starlink Mobileが地上の携帯電話の競争相手になるとの見方が広がりました。終値の下げは8.75%と、2002年7月以来の大きさです(CNBC)。

注意点が1つあります。この日は配当の権利落ち日で、1株0.7075ドルの配当の分も株価から落ちています(StockAnalysis)。そのため、株価の数字の上では前日の46.35ドルから41.65ドルと、10.14%の下げに見えます。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

RSIは21台で売られすぎですが、窓を開けた大商いの下げは、数日で戻らないことも多い形です。当てはまりそうな型は、下の38.39〜38.84ドルの帯を使う「レンジ下限型」です。ただ、この帯で止まったのはまだ3回で、レンジの確定に必要な計4回の反発がそろっていません。

自分なら、仮に組むとしても次のように見ます。

ただし、10月26日に決算があります。保有中に決算をまたぐ可能性が高く、根拠も帯1つだけなので、今は見送りです。考えを変える条件は2つです。終値で38.39ドルを割れば過去1年の安値の下抜けで、見送りを続けます。反対に45.29ドルを終値で取り戻せば、窓を埋めて元の動きに戻ったと見ます。

出典: CNBC(SpaceXと通信株)、StockAnalysis(VZ株価)、StockAnalysis(VZバリュエーション)、StockAnalysis(VZ配当)、Yahoo Finance(VZ)

Humana(HUM)

企業概要

アゲハ

アゲハ

窓を開けて上に抜けたなら、もう買っていいの?
ドクター

ドクター

高値は追わん。420ドルまで戻って支えられるのを確かめてからだ

米国の医療保険の会社です。高齢者向けの公的な医療保険を民間の保険会社が運営する「メディケア・アドバンテージ」が主力です。直近12カ月の売上高は1,456億8,000万ドル、純利益は12億8,000万ドルです(StockAnalysis)。

上昇の要因:2027年の評価で、最大の契約の評価が上がった

米政府のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、2027年の保険の評価(星の数)を公開しました。Humanaは最大の契約の評価が上がり、取引中に12%上げました(CNBC)。この評価は、保険会社が受け取るボーナスの額に関わります。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまる型は「パターン確定型」です。レンジの上の線(410〜420ドル)を上に抜けたので、次はそこまで戻って支えられるかを見ます。ただこの日は、始値の450ドル台から売られて安値の近くで引けています。窓の上で高値を追うのは避けます。

11月6日の決算までに、利確か損切りに届く前提です。考えを変える条件は、終値で410ドルを割り込むことです。抜けたはずのレンジに戻るので、この見方は取り下げます。

出典: CNBC(10/9の値動きの大きい銘柄・日中)、StockAnalysis(HUM株価)、StockAnalysis(HUMバリュエーション)、Yahoo Finance(HUM)

Lumentum(LITE)

企業概要

ドクター

ドクター

2029年まで売り切れ!フハハハ、これは乗るべきでは!?
アゲハ

アゲハ

RR約1.2で1.5に届いてないし、決算も11月5日。今は見送り寄りだよ

光の通信の部品の会社です。レーザーなどの部品を作り、AIのデータセンターの中でデータを光で送る機器に使われます。直近12カ月の売上高は30億1,000万ドル、純損益は69億4,000万ドルの赤字です(StockAnalysis)。

上昇の要因:最高経営責任者が「2029年まで売り切れ」

ハーストン最高経営責任者が、同社の光の部品は2029年まで売り切れていると話しました。一部の製品は、来年にかけて最大70%の需要に応えるのが難しいとも述べています(CNBC)。取引中は約7%上げ、終値は5.22%高でした。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

上昇の流れははっきりしていて、型は「チャネル押し目型」の候補です。ただ、真上に3回止まった帯があり、押し目で入っても利確の余地が小さくなります。

RRが1.5に届かず、11月5日の決算も近いので、今は見送り寄りです。1日に50ドル以上動く日も多く、損切りの幅を狭めればふだんの揺れで刈られます。考えを変える条件は、終値で1,143ドルを上抜けて、戻りでもその上を保つことです。

出典: CNBC(10/9の値動きの大きい銘柄・日中)、StockAnalysis(LITE株価)、StockAnalysis(LITEバリュエーション)、Yahoo Finance(LITE)

4. 本日の戦略:「弱気」を続ける

本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら現金の比率をさらに上げる」「5.2%を割り込めば『やや弱気』に戻す」と決めていました。10年債は5.24%で、どちらの目安にも届いていません。VIXも14.84です。理由は3つです。

アゲハ

アゲハ

つまり10年債の5.35%と5.2%、VIX20を見とけばいいってこと?
ドクター

ドクター

そうだ。目安に届くまでは弱気を続ける。データは嘘をつかないのだよ

1つ目は、金利です。2年債の利回りは4.80%に上がり、消費者の1年先の予想インフレ率も4.7%に上がりました。FRBが利下げに動きにくい材料が続いています。

2つ目は、反発の中身です。上げたのはソフトウェアや前日に売られた銘柄の買い戻しで、半導体は戻りませんでした。前日の下げに対して、反発の幅も小さいままです。

3つ目は、来週からの決算です。来週はJPMorganなど大手の銀行と、Johnson & Johnson、UnitedHealthが決算を出します(CNBC)。銀行株は決算の前に下げています。決算の数字が出るまで、新しい買いは小さくにとどめます。

前回の記事で取り上げた3銘柄の答え合わせです(終値はStockAnalysis)。

この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。

前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はYahoo Finance)。

監視項目は以下の5つです。米10年債5.35%と5.2%、2年債、VIX20、来週の銀行の決算、15日のTSMCの決算を見ます。10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら、現金の比率をさらに上げます。10年債が5.2%を割り込めば「やや弱気」に戻します。

5. 100万円チャレンジ(デモ口座)

AIがデモ口座(仮想資金100万円)で実際に売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。米国株を買いだけで売買し、損切りと利確の価格を入る前に決めています。

アゲハ

アゲハ

ドクター、仮想の100万円は今日も新しい注文0件だったよ
ドクター

ドクター

なんと!ソフトウェアは反発したのに、指をくわえて見ていたのか
アゲハ

アゲハ

条件を満たす計画が1つもなかったんだって。RR1未満や決算またぎは入らないのがルールじゃん

成績(SBI証券の手数料込み)

今朝のAIの判断

10月9日の朝(日本時間7時31分)のAIの見立ては「待つ」でした。AIの言葉では「S&P500(SPY)は773.97で200日線(722.45)の上にあり、中期の上昇は維持。ただ前日は大型グロース・ハイテクが売られ、エネルギーと生活必需品に資金が移った。国債・金も買われてリスク回避の色が濃い」。そのうえで「ハイテクの下げが止まるか、バリュー銘柄に手数料込みでRR1.5以上の押し目が出るまで待つ」と決めています。

候補10銘柄のうち、新しい注文は0件でした。主な見送りの理由は以下のとおりです。

条件を満たす計画が1つもなかった、というのがこの朝の結論です。

夜中の約定・決済

このセッション中の新しい約定と決済はありませんでした。

保有中

一言の振り返り

この朝のAIは「ハイテクの下げが止まるまで待つ」と決めましたが、この日はソフトウェアを中心にハイテクが反発し、Microsoftは2.38%、Amazonは約3%上げました。結果だけ見れば一日早かった反発を逃した形です。ただ、半導体は戻らず、1日の反発で「下げが止まった」とは言えません。決めた条件どおりに待ち、保有中のCoca-Colaは損切りと利確のどちらにも届かないまま持ち越し、という静かな一日でした。