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毎朝の米国株ノート

【米国株 10/12】中国メモリの新製品でMicron3.9%安

 ドクターとアゲハ

おはようございます。10月12日(月)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。

この日は指数の明暗が分かれました。ダウは195.60ドル高(0.38%高)の51,850.55と3日続けて上げた一方、S&P500は0.06%安の7,807.24、ナスダック総合は0.44%安の27,245.90でした(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

ドクター、ダウは上げたのにナスダックは下げてるんだけど。どっち見ればいいの?
ドクター

ドクター

指数の明暗が分かれた日なのだよ。中身を見ればわかる

ナスダックの重しになったのはMicronです。中国のメモリ大手CXMT(長鑫存儲技術)が次の世代のDRAMを出すと伝わり、Micronは3.9%安になりました。反対にダウを押し上げたのはSalesforceで、Bank of Americaが投資判断を2段階上げ、2%上げています(CNBC)。

本日の結論は「弱気」を続けます。原油は再び上がり、クリーブランド連銀のハマック総裁は「引き締め気味の金融政策が適切」と話しました。今週は水曜にCPI、木曜にPPIが出ます。理由と具体的な行動は「本日の戦略」に、AIがデモ口座で回している売買は最後の「100万円チャレンジ」にまとめています。

今朝の市場日記

ドクター

ドクター

半導体から守りの業種へ。まずはお金の流れを見るのが基本なのだよ
アゲハ

アゲハ

エネルギーと生活必需品に逃げた感じね。それならウチでもわかるかも

金利・指標の読みです。この日は大きな経済指標はなく、注目はクリーブランド連銀のハマック総裁の発言でした。「2%のインフレに早く戻すには、引き締め気味の金融政策が適切」「小さな調整を早めに行う方が、遅れて大きく直すより良い」と話しています(CNBC)。今年の投票権を持つ委員の、はっきりしたタカ派の発言です。連想は「利回り上昇・ドル高円安・金安・割高なグロース株に逆風」になります。

実際はおおむね当たりました。ドル円は158.57円と円安方向(Yahoo Finance)、金は下げ、グロース株も売られています。ただしこの日はコロンブス・デーで、米国の債券の市場は休みでした(SIFMA)。米財務省の利回りの公表もなく、10年債は前の営業日(10月9日)の5.24%のままです。グロース株の下げは、金利よりもMicronのメモリの材料が大きかったと見ます。

出典: CNBC(10/12市況ライブ)、CNBC(ハマック総裁)、Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、Yahoo Finance(IWF)、Yahoo Finance(IWD)、Yahoo Finance(ナスダック100)、Yahoo Finance(金先物)、Yahoo Finance(ドル円)、SIFMA(休場日)

1. 市場全体:ダウは3日続伸、ナスダックは反落

主要指数の終値は以下のとおりです。

アゲハ

アゲハ

10年債が5.24%のままって、更新サボってるの?
ドクター

ドクター

コロンブス・デーで債券の市場が休みだったのだよ。サボりではない

CNBCによると、ダウは3日続けての上昇です。S&P500は2022年10月の終値の安値3,577.03から、この週で上げ相場の4年目に入りました。この間に指数は2倍を超えています。

金利・商品・為替は以下のとおりです。

原油が上がった理由は2つです。1つ目は、トランプ大統領が週末に発表したロシアとウクライナの「エネルギー停戦」について、ウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアがすでに破った」と話したこと。2つ目は、トランプ大統領が、イエメンのフーシ派と戦うサウジアラビアに加わることを考えていると話したことです。サウジのリヤドの空港がまた攻撃を受けていました(CNBC)。エネルギーの業種のETF(XLE)は取引中に最高値をつけ、1.43%高で引けています(CNBC・Yahoo Finance)。

今週は銀行の決算とCPI

今週から第3四半期の決算が本格的に始まります。Bank of America、Citigroup、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Morgan Stanley、Wells Fargoが決算を出します。9月のCPIは水曜、PPIは木曜です(CNBC)。

決算への見方は以下のとおりです(CNBC)。

出典: CNBC(10/12市況ライブ)、CNBC(エネルギー停戦)、CNBC(原油)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(ラッセル2000)、Yahoo Finance(XLE)

2. セクター動向:エネルギーが上げ、テクノロジーが下げ

Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

アゲハ

アゲハ

7セクターも上げてるのにS&P500は横ばいって、なんで?
ドクター

ドクター

時価総額の大きいテクノロジーが下げたからだ。覚えておきたまえ

11のうち7セクターが上がりましたが、時価総額の大きいテクノロジーが下げたため、S&P500は横ばいでした。読みどころは3つです。

1つ目は、エネルギーです。業種別では、石油・ガスの開発生産が1.70%高、石油・ガスの総合が1.65%高と上位に入りました。CNBCによると、Diamondback Energy、Oneok、APA、ConocoPhillipsがそろって約2%上げています。原油を運ぶ船の会社も、最高値の更新が続きました。

2つ目は、ハイテクの部品の売りです。業種別の下位には、通信機器(3.94%安)、コンピューター機器(3.28%安)、電子部品(2.69%安)、半導体の製造装置(2.42%安)が並びました。半導体のETF(SMH)は2.05%安です(Yahoo Finance)。

3つ目は、守りの業種への資金です。業種別の首位は医療機器で2.11%高、生活必需品の中でも酒類が2.05%高、菓子が1.88%高でした。最下位は住宅ローンの金融で4.79%安です。

出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、CNBC(10/12市況ライブ)、Yahoo Finance(SMH)

値動きの大きかった銘柄

出典: CNBC(10/12の寄り付き前の値動き)、CNBC(AST SpaceMobile)、CNBC(10/12市況ライブ)、Yahoo Finance(LITE)、Yahoo Finance(CRWD)、Yahoo Finance(IREN)

3. 注目個別銘柄

テクニカルの数字は、Yahoo Financeの日足から筆者が計算した値です(移動平均線は終値の単純平均、RSIは14日、出来高は前日までの20日平均との比較)。

Micron Technology(MU)

企業概要

ドクター

ドクター

予想PER5.84倍に目標株価は約57%上。ワタシは今すぐ拾いたいのだが
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。RR約1.2で利確の余地が小さいって書いてるじゃん
ドクター

ドクター

ぐぬぬ……1,017ドルを取り戻すまで待つとしよう

米国のメモリの半導体の大手です。パソコンやスマートフォン、AIのデータセンター向けにDRAMとNANDを作ります。AIの計算に使う広帯域のメモリ(HBM)の需要で業績が急に伸び、直近12カ月の売上高は1,331億9,000万ドル、純利益は849億7,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:中国のCXMTが次の世代のDRAMへ

中国のメモリ大手CXMTのツァオ社長が週末の会議で、次の世代のDRAMを出す計画を話したとSouth China Morning Postが伝えました。アジアのメディアによると、米国と韓国の大手のメモリと競合する製品です(CNBC)。寄り付き前に2%超下げ、終値は3.88%安でした。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまりそうな型は、下の967〜979ドルの帯を使う「レンジ下限型」です。帯と75日線が重なり、根拠は2つあります。ただ、この帯で止まったのはまだ3回です。

自分なら、仮に組むとしても次のように見ます。

上には割ったばかりの帯と25日線が控え、利確の余地が小さいので、今は見送りです。考えを変える条件は2つです。終値で1,017ドルを取り戻せば、窓を埋めて元の形に戻ったと見ます。反対に、終値で967ドルを割れば902〜921ドルの帯まで下がる筋書きを考え、見送りを続けます。

出典: CNBC(10/12市況ライブ)、CNBC(10/12の寄り付き前の値動き)、StockAnalysis(MUバリュエーション)、Yahoo Finance(MU)

Salesforce(CRM)

企業概要

アゲハ

アゲハ

2段階も格上げされたのに、今すぐ買わないの?
ドクター

ドクター

上の帯で押し戻されたのだよ。224ドルまで待てばRRは2.0だ
アゲハ

アゲハ

決算も12月2日で先だし、待つ方がガチで筋いいじゃん

企業向けの顧客管理のソフトウェアの最大手です。営業・顧客サービス・マーケティングの仕組みをクラウドで提供します。直近12カ月の売上高は439億4,000万ドル、純利益は96億6,000万ドルです(StockAnalysis)。

上昇の要因:Bank of Americaが2段階の格上げ

Bank of Americaが投資判断を「売り」から「買い」へ2段階上げ、目標株価を160ドルから285ドルに上げました。担当のリアニ氏は「大企業は、業務の仕組みやデータを置いた基盤を入れ替えにくい。AIはむしろ、こうした基盤への依存を深める」と書いています。Salesforceは、AIがソフトの需要を減らすとの不安から、2026年に約14%下げていました(CNBC)。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまる型は「レンジ下限型」です。レンジが確定し、株価は200日線の上にあります。この日は上の帯で押し戻されたので、上で追いかけるより下の帯まで待つ形です。

次の決算は12月2日で、保有中に決算をまたぐ心配は小さい形です。考えを変える条件は2つです。終値で217ドルを割ればレンジが崩れたと見て取り下げます。反対に終値で243ドルを上抜け、戻りでもその上を保てば、レンジの上抜けとして見直します。

出典: CNBC(Salesforceの格上げ)、CNBC(10/12市況ライブ)、StockAnalysis(CRMバリュエーション)、Yahoo Finance(CRM)

Chipotle Mexican Grill(CMG)

企業概要

アゲハ

アゲハ

Starbucksが買わないって言って3.77%安。思惑だけで上げてたの?
ドクター

ドクター

期待の買いは消えるのも早いのだ。10月28日の決算までは見送りだ

米国のメキシコ料理のファストカジュアルのチェーンです。店舗はすべて直営で、ブリトーやボウルを注文の後に目の前で作ります。直近12カ月の売上高は124億2,000万ドル、純利益は14億2,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:Starbucksが買収を否定

Starbucksの広報がCNBCに「StarbucksはChipotleを買わない」と話しました。Financial Timesは10月8日に、StarbucksがChipotleの買収の提案を検討していると報じていました。StarbucksのニコルCEOは以前Chipotleを率いており、再びの合流を期待した買いが入っていました。Chipotleの株は過去1年で約20%下げています(CNBC)。この日のChipotleは3.77%安、Starbucksは1.69%高でした(Yahoo Finance)。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまる型はありません。株価は4本の移動平均線の下にあり、買収の思惑も消えました。10月28日の決算も近いので、見送りです。

考えを変える条件は2つです。終値で29.83ドルを割れば、過去1年の安値28.04ドルまでの下げを考えます。反対に、決算の後に終値で33.4ドルを上抜ければ、下げの流れが変わったと見て、改めて押し目を探します。

出典: CNBC(Starbucksの否定)、StockAnalysis(CMGバリュエーション)、Yahoo Finance(CMG)、Yahoo Finance(SBUX)

4. 本日の戦略:「弱気」を続ける

本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら現金の比率をさらに上げる」「5.2%を割り込めば『やや弱気』に戻す」と決めていました。この日は債券の市場が休みで、10年債は5.24%のままです。VIXも15.21で、どちらの目安にも届いていません。理由は3つです。

ドクター

ドクター

10年債もVIXも、決めておいた目安にはどちらも届いていないのだよ
アゲハ

アゲハ

だから結論は弱気のまま。CPIとPPIが出るまで新しい買いは小さく、ね

1つ目は、FRBの発言です。投票権を持つハマック総裁が「引き締め気味の政策が適切」と話しました。RBCも、FRBの新しい利上げの流れを決算シーズンのリスクに挙げています。

2つ目は、原油です。WTIは93.74ドル、ブレントは106.65ドルと再び上がりました。中東の緊張とロシア・ウクライナの停戦の不確かさが続き、インフレの不安を消しにくい状況です。

3つ目は、今週の予定です。水曜のCPI、木曜のPPIに加え、大手の銀行の決算が続きます。決算への期待は高く、上振れの余地が見えにくい場面です。数字が出るまで、新しい買いは小さくにとどめます。

前回の記事で取り上げた3銘柄の答え合わせです(終値はYahoo Finance)。

この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。

前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はYahoo Finance)。

監視項目は以下の5つです。米10年債5.35%と5.2%、VIX20、水曜のCPI、木曜のPPI、15日のTSMCの決算を見ます。10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら、現金の比率をさらに上げます。10年債が5.2%を割り込めば「やや弱気」に戻します。

5. 100万円チャレンジ(デモ口座)

AIがデモ口座(仮想資金100万円)で実際に売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。米国株を買いだけで売買し、損切りと利確の価格を入る前に決めています。

アゲハ

アゲハ

仮想の100万円、今朝はMicrosoftの519ドルの指値だけ出したよ
ドクター

ドクター

Coca-Colaは利確の90.36ドルまであと少し。フハハハ
アゲハ

アゲハ

でも決算は10月27日。デモ口座でもルールどおり見ていこ

成績(SBI証券の手数料込み)

今朝のAIの判断

10月12日の朝(日本時間7時32分)のAIの見立ては「慎重」でした。AIの言葉では「指数は200日線より上、VIXも低く、地合いは悪くない。ただ長期金利が5.2%台と高く、半導体は高値から調整中。今週は決算シーズン入りで値が振れやすい」。そのうえで「決算前の押し目指値1件だけに絞り、無理な成行の買いはしない」と決めています。

候補10銘柄のうち、採用はMicrosoftの1件でした。

見送りの主な理由は以下のとおりです。

夜中の約定・決済

このセッション中の新しい約定と決済はありませんでした。Microsoftの519ドルの指値は、この日の安値が535.70ドルで届いていません(Yahoo Finance)。

保有中

一言の振り返り

この朝のAIは、半導体の調整を理由にMicronを見送りました。この日のMicronは中国のメモリの材料で3.88%安と下げ、見送りが結果として損を避けた形です。一方、生活必需品に資金が入る中でCoca-Colaは1.98%高と上げ、利確の90.36ドルまであと少しの所に来ました。手数料込みの累計もプラスに戻っています。ただ利確の前に決算(10月27日)が近づくため、届くかどうかが次の見どころです。