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毎朝の米国株ノート

【米国株 10/14】CPI上振れとAI借金不安でOracle8.8%安

 ドクターとアゲハ

おはようございます。10月14日(水)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。

この日はハイテク株が売られました。S&P500は1.11%安の7,718.94、ナスダック総合は1.88%安の26,692.87です。一方、ダウは48.62ドル安(0.09%安)の51,621.48と、UnitedHealthやAmgenなどヘルスケア株の上げに支えられて小幅安にとどまりました(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

ドクター、昨日ハイテクがめっちゃ売られてたんだけど。何があったの?
ドクター

ドクター

9月のCPIの上振れと、AIの借金への不安。この2つなのだよ。結論は弱気のままだ

きっかけは2つです。1つ目は、9月のCPIです。前年比3.7%増と予想の3.6%増を上回り、コアCPIも前年比2.6%増と予想の2.5%増を上回りました。2つ目は、AIへの投資を借金でまかなう企業への不安です。AIのクラウドを貸すCoreWeaveは15.46%安、Oracleは8.83%安と大きく下げました(CNBC・Yahoo Finance)。

本日の結論は「弱気」を続けます。理由と具体的な行動は「本日の戦略」に、AIがデモ口座で回している売買は最後の「100万円チャレンジ」にまとめています。

今朝の市場日記

アゲハ

アゲハ

生活必需品は上げて、テクノロジーは下げ。真逆じゃん
ドクター

ドクター

守りの業種にお金が逃げたのだよ。グロース対バリューも、バリューの圧勝だ

金利・指標の読みです。9月のCPIは、総合が前月比0.6%増(予想どおり)・前年比3.7%増(予想3.6%増)、コアが前月比0.3%増(予想0.2%増)・前年比2.6%増(予想2.5%増)でした。ガソリンが前月比9.1%上がり、総合の上げの約半分を占めましたが、住居費や中古車、衣料品も上がっています(CNBC)。インフレが広く続いていることを示す、タカ派の材料です。CME FedWatchでは、10月27〜28日のFOMCでの利上げの確率が約54%に上がり、年内の利上げの確率は96%を超えました(CNBC)。連想は「利回り上昇・ドル高円安・金安・グロース株に逆風」になります。

実際は半分当たりました。2年債利回りは4.79%から4.82%に上がり、金は下げ、グロース株も大きく売られています。一方、10年債利回りは5.19%と少し下がり、ドル円も158.23円とわずかに円高でした(米財務省・Yahoo Finance)。CNBCは、発表直後には利回りが大きく上がったと伝えています。株が売られる中で、長い期間の債券には買いが入った、と読んでいます。

出典: CNBC(10/14市況ライブ)、CNBC(9月のCPI)、CNBC(RBCのハイテク格下げ)、Finviz(セクター別騰落)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(ナスダック100)、Yahoo Finance(IWF)、Yahoo Finance(IWD)、Yahoo Finance(TLT)、Yahoo Finance(金先物)、Yahoo Finance(ドル円)

1. 市場全体:CPIの上振れでハイテクが売られた

主要指数の終値は以下のとおりです(Yahoo Finance)。

3指数とも安く始まり、寄り付き直後はS&P500が0.4%安、ナスダックが0.7%安、ダウが80ドル安でした(CNBC)。そこから下げ幅を広げ、S&P500は1%を超える下げで引けています。

金利・商品・為替は以下のとおりです。

原油は、サウジアラビアとイランが支援するフーシ派の戦闘が激しくなり、イランがホルムズ海峡を通る船への攻撃を強めていることで上げています。WTIは今週4%上げ、ExxonMobil・Chevron・ConocoPhillipsは取引中に過去最高値をつけました(CNBC)。ガソリンの全米平均は1ガロン4.33ドルと、1年前の約3.08ドルから大きく上がっています(CNBC、AAAの集計)。

AIの借金への不安が広がった

この日のもう1つの材料は、AIの設備を借金で作る企業への不安です。CoreWeaveは株と社債が一緒に売られ、2032年に満期の社債の利回りは14.8%まで上がりました。CNBCは「マグニフィセント・セブン以外の、財務の弱い企業ほど強く売られている」と伝えています。Oracleも社債の利回りが上がり、株価は9%近く下げました(CNBC)。

アゲハ

アゲハ

社債の利回りが14.8%ってマジ?株だけじゃなくて借金のほうも売られてるの?
ドクター

ドクター

そうだ。株と社債が一緒に売られるのは、お金を貸す側も怖がっている合図なのだよ

半導体も売りが続きました。Micronは4.10%安、Sandiskは5.33%安、AMDは5.73%安、Intelは4.56%安です(Yahoo Finance)。半導体株のETF(SOXX)は4.50%安でした。RBCのストラテジストは、半導体の利益予想の上方修正の勢いが鈍ってきたことを理由に挙げています(CNBC)。

銀行の決算:Bank of Americaが4.76%安

アゲハ

アゲハ

Bank of Americaの4.76%安って、制裁金のせい?
ドクター

ドクター

前日に発表された12億ドル超の制裁金で、利益は17%減なのだよ。売上高も予想に届いていない

予想はLSEG、株価の騰落はYahoo Financeの終値です(BlackRockのみCNBCの取引中の値)。

出典: CNBC(10/14市況ライブ)、CNBC(CoreWeaveとAIの借金)、CNBC(RBCのハイテク格下げ)、CNBC(Bank of Americaの決算)、CNBC(10/14の日中の値動き)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(ブレント原油)、Yahoo Finance(SOXX)

2. セクター動向:生活必需品が上げ、テクノロジーが下げ

Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

上げたのは11のうち3セクターだけで、景気に左右されにくい守りの業種に買いが集まりました。読みどころは3つです。

1つ目は、生活必需品とヘルスケアです。業種別の首位は医療保険で3.26%高、次いでディスカウントストアが3.23%高、食料品店が3.19%高、大手の製薬が3.18%高でした(Finviz)。Walmartは3.46%高、Procter & Gambleは2.28%高、UnitedHealthは4.73%高、Amgenは3.21%高です(Yahoo Finance)。RBCがハイテクの代わりに勧めたのもヘルスケアでした(CNBC)。前日に売られたJohnson & Johnsonも2.13%高と戻しています。

2つ目は、テクノロジーです。業種別では、半導体の製造装置・材料が4.04%安、半導体が3.91%安、ソフトウェアのインフラが3.12%安でした。最下位はコンピューターのハードウェアで6.06%安です(Finviz)。Barclaysが「ここまでの上げは続きにくい」として投資判断を下げたDell Technologiesは11.27%安でした(CNBC・Yahoo Finance)。

3つ目は、電力と金属です。電気設備・部品が6.16%安、独立系の発電が5.89%安、ウランが5.90%安、銀が5.53%安、金の採掘が4.24%安でした(Finviz)。AIのデータセンター向けの電力で買われてきた業種と、金属が一緒に売られています。

出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、CNBC(RBCのハイテク格下げ)、CNBC(10/14の日中の値動き)、Yahoo Finance(WMT)、Yahoo Finance(UNH)

値動きの大きかった銘柄

アゲハ

アゲハ

CoreWeaveが15.46%安、Dellも11.27%安…ガチで荒れてるんだけど
ドクター

ドクター

ここまで下げると、つい拾いたくなるのだが……
アゲハ

アゲハ

ドクター、それナシだから。今日の結論は弱気じゃん

出典: CNBC(10/14の日中の値動き)、CNBC(10/14市況ライブ)、Yahoo Finance(CRWV)、Yahoo Finance(DELL)

3. 注目個別銘柄

テクニカルの数字は、Yahoo Financeの日足から筆者が計算した値です(移動平均線は終値の単純平均、RSIは14日、出来高は前日までの20日平均との比較)。

アゲハ

アゲハ

RSIってよく出てくるけど、何なの?
ドクター

ドクター

14日の値動きから、買われすぎ・売られすぎを見る物差しだ。覚えておきたまえ
アゲハ

アゲハ

30を下回ったら売られすぎ、ってことね。BACが22.64だっけ

Oracle(ORCL)

企業概要

データベースと業務ソフトの大手で、近年はAI向けのクラウド(OCI)のデータセンターを大きく広げています。直近12カ月の売上高は717億8,000万ドル、純利益は187億4,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:AIの借金への不安

この日はCoreWeaveの株と社債の急落をきっかけに、AIの設備を借金で作る企業がまとめて売られました。Oracleも社債の利回りが上がり、2032年11月に満期の利率6.25%の社債の利回りは7.24%になっています。株価は9%近く下げて引けました(CNBC)。Oracle自身の新しい発表は、取得した記事の中にはありませんでした。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまる型はありません(見送り)。横ばいの下限を割ったばかりで、すぐ上には割ったばかりの134.7〜136.5ドルの帯があります。4本の移動平均線もすべて下向きです。

自分なら、次の形が出るまで待ちます。仮に7月の安値の帯で組むとすれば、入値118ドル(帯で陽線の反発を見てから)、損切り113ドル(帯の少し下)、利確129ドル(割った131.6ドルの手前)で、RRは2.2(損益分岐の勝率は約31%)です。ただ、株価はまだ帯から10%以上上にあり、今の時点の計画ではありません。考えを変える条件は、終値で134.7〜136.5ドルの帯を取り戻すことです。そこで横ばいに戻ったと見ます。

出典: CNBC(CoreWeaveとAIの借金)、StockAnalysis(ORCLバリュエーション)、Yahoo Finance(ORCL)

AMD(AMD)

企業概要

半導体の大手です。データセンター向けのGPU(AIの計算用)とCPU、パソコン向けのCPU、ゲーム機向けの半導体を手がけます。直近12カ月の売上高は413億1,000万ドル、純利益は64億3,000万ドルです(StockAnalysis)。

下落の要因:半導体の売りが続いた

この日は個別の材料ではなく、半導体全体の売りでした。CPIの上振れに加え、RBCが半導体の利益予想の上方修正の勢いが鈍っているとして、ハイテクの判断を下げています(CNBC)。CNBCは、AMDとSandiskが5%超、Intelが4%下げたと伝えています。前日にはAMDが信用補完でFermiを支えると伝わり、1.90%高でした。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまりそうな型は、561.5〜584.7ドルの帯と25日線を使う「チャネル押し目型」です。25日・75日・200日線は上向きで、上昇の流れの中の押しです。

自分なら、次のように見ます。

RRは十分ですが、2日続けて帯の中で売られ、半導体の売りも止まっていません。決算は11月3日で、3週間後です。帯で陽線の反発が出るまでは待ちです。考えを変える条件は2つです。終値で561ドルを割れば、帯が崩れたと見て、75日線の529ドル付近までの下げを考えます。反対に、終値で25日線の590ドルを取り戻せば、帯の反発が効いたと見ます。

出典: CNBC(10/14市況ライブ)、CNBC(RBCのハイテク格下げ)、StockAnalysis(AMDバリュエーション)、Yahoo Finance(AMD)

Bank of America(BAC)

企業概要

総資産で米国2位の銀行です。個人向けの預金・ローン・クレジットカード、企業向けの融資、投資銀行とトレーディング、資産運用(Merrill)を手がけます。直近12カ月の売上高は1,148億8,000万ドル、純利益は307億6,000万ドルです(StockAnalysis・CNBC)。

下落の要因:制裁金とトレーディングの不振

第3四半期の利益は17%減の69.3億ドル、1株利益は0.91ドルでした。前日に米財務省から12億ドル超の制裁金を受けたためで、制裁金を除けば1.08ドルです。CNBCは予想の1.10ドルとは「比較できない可能性がある」としています。規制当局は、50億ドル超の「疑わしい」取引を報告しなかったと指摘しています。

売上高も301.2億ドルと、予想の306.9億ドルに約5.7億ドル届きませんでした。債券のトレーディングは17%減の25.5億ドルで予想を約4.5億ドル下回り、株式のトレーディングも予想を約3億ドル下回りました。一方、純金利収入は7.9%増の166億ドルと、予想(165.3億ドル)をわずかに上回っています。Wells Fargoのマイク・メイヨ氏は、資本市場の成績を「同業で一番悪い」と評しました(CNBC)。

バリュエーション(StockAnalysis)

テクニカル

売買の見方

当てはまりそうな型は、49.3〜50.0ドルの帯を使う「レンジ下限型」です。この日は帯まで下げてから陽線で戻し、RSIも売られすぎです。ただ、この型が強くなる「200日線の上での反発」ではありません。

自分なら、仮に組むとしても次のように見ます。

RRが1.5に届かず、制裁金の問題がいつ片付くかも見えないため、見送りです。モイニハンCEOは解決の時期を約束していません(CNBC)。考えを変える条件は2つです。終値で53ドルを取り戻せば、窓を埋めて流れが戻ったと見ます。反対に、終値で49.3ドルを割れば、3月の安値の46〜47ドル台までの下げを考えます。

出典: CNBC(Bank of Americaの決算)、CNBC(10/14の日中の値動き)、StockAnalysis(BACバリュエーション)、Yahoo Finance(BAC)

4. 本日の戦略:「弱気」を続ける

本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「CPIが予想並みにとどまり、10年債が終値で5.2%を割り込めば『やや弱気』に戻す」「10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら現金の比率をさらに上げる」と決めていました。10年債は5.19%と5.2%を割りましたが、CPIは予想を上回ったので、「やや弱気」には戻しません。VIXは16.87で、20には届いていません。理由は3つです。

アゲハ

アゲハ

10年債は5.2%を割ったのに、やや弱気に戻さないの?
ドクター

ドクター

条件は2つセットだった。CPIが予想を上回った以上、戻さないのだよ
アゲハ

アゲハ

決めたルールどおりってことね。りょ

1つ目は、インフレです。総合もコアも予想を上回り、ガソリン以外の住居費や中古車も上がっています。FedWatchでは年内の利上げがほぼ織り込まれ、12月までに0.5%の利上げとなる確率も五分五分です(CNBC)。

2つ目は、AIの借金への不安です。CoreWeaveやOracleのように、借金でAIの設備を作る企業の株と社債が一緒に売られました。CNBCは「この9カ月の簡単にお金を借りられた時代が終わりつつある」というWells Fargo Investment Instituteの見方を伝えています。

3つ目は、資金の逃げ先です。生活必需品・ヘルスケアが買われ、グロース株ETFは2.24%安でした。ハイテクから守りの業種への移動が、はっきり出た一日です。

前回の記事で取り上げた3銘柄の答え合わせです(終値はYahoo Finance)。

この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。

前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はYahoo Finance)。

監視項目は以下の5つです。15日のPPI(BLSが発表)、15日のTSMCの決算、AIの設備関連の社債の利回り、原油(WTIの95ドル台)、米10年債の5.2%を見ます。10年債が5.35%を終値で超えるか、VIXが20を超えるなら、現金の比率をさらに上げます。PPIが予想並みにとどまり、ナスダック100が下げ止まれば「やや弱気」に戻すことを考えます。

出典: CNBC(9月のCPI)、CNBC(CoreWeaveとAIの借金)、Yahoo Finance(C)、Yahoo Finance(JNJ)、Yahoo Finance(AMAT)、Yahoo Finance(HUM)、Yahoo Finance(MU)

5. 100万円チャレンジ(デモ口座)

AIがデモ口座(仮想資金100万円)で実際に売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。米国株を買いだけで売買し、損切りと利確の価格を入る前に決めています。

ドクター

ドクター

ワタシのAMDの指値が、CPIの後に取り消されていたのだが!?
アゲハ

アゲハ

急落の途中で即約定になるから見送ったんだよ。仮想の100万円でもルールは守るじゃん
ドクター

ドクター

フハハハ、終値は570.82ドル。結果として損を避けたのだな

成績(SBI証券の手数料込み)

今朝のAIの判断

10月14日の朝(日本時間7時32分)のAIの見立ては「慎重」でした。AIの言葉では「指数は上昇トレンドを保ち、VIXも低い。一方で長期金利が5.2%と高く、CPIの発表を控えて方向感が出にくい。現値から離れた押し目の指値だけにし、追いかけ買いはしない」。判断の材料には、S&P500のETFが200日線と25日線の上にあること、米10年債5.22%、VIX15.3、CPI待ち、エネルギーが強くヘルスケアが弱いことを挙げています。

候補10銘柄のうち、AIが採用したのはAMDとPalo Alto Networksの2件でした。

見送りの主な理由は以下のとおりです。

夜中の約定・決済

保有中

一言の振り返り

この日の分かれ目は、AMDの注文でした。朝の計画どおりなら、CPIの後の下げの途中で590.54ドルで買い、終値の570.82ドルまで含み損を抱えていたはずです。発表の前に注文を止める固定ルールと、下げ始めの形を見て取り消した判断が、結果として損を避けました。一方、Amazonは計画どおり254ドルで約定しましたが、ハイテクが売られる地合いの中での買いです。損切りの246.4ドルを守れるかが、次の確認点になります。