おはようございます。10月20日(火)のニューヨーク市場の振り返りと、本日の投資戦略ノートです。
この日は決算が相場を動かしました。ダウ平均は529.85ドル高(1.02%高)の52,495.88で引けています。S&P500は0.28%高の7,712.57、ナスダック総合は0.02%安の26,424.82と、ハイテクは横ばいでした(CNBC)。

アゲハ

ドクター

アゲハ
主役は3Mです。第3四半期の調整後の1株利益は2.50ドルで、予想の2.38ドルを上回り、通期の利益見通しも上げました(CNBC)。株価は5.78%高の171.37ドルで、9月から6回止められてきた上の抵抗帯を、終値で初めて上に抜けています(Yahoo Finance)。Northrop Grummanも4.57%高でした。
一方で、予想を上回る決算でもGeneral Motorsは6.84%安、GE Aerospaceは3.67%安と売られています。良い数字を出せば上がる、という単純な相場ではありません。本日の結論は「弱気」を続けます。理由と具体的な行動は「本日の戦略」に、AIがデモ口座で回している売買は最後の「100万円チャレンジ」にまとめています。
今朝の市場日記
- 指数: ダウ1.02%高・S&P500 0.28%高・ナスダック総合0.02%安・ラッセル2000 1.65%高。2%を超えて動いた指数はなく、小型株とダウが強く、ハイテクは横ばいの1日です(CNBC・Yahoo Finance)
- 業種: 最も買われたのはヘルスケア(2.46%高)、最も売られたのはコミュニケーション(0.62%安)。ヘルスケアは製薬・バイオ・医療保険がそろって上げました。理由を特定できる記事は取得できませんでしたが、金利に弱い不動産・公益も上げており、守りの業種に資金が向いた日です(Finviz・Yahoo Finance)
- グロース対バリュー: バリューの勝ち。バリュー株ETF(IWD)は0.89%高、グロース株ETF(IWF)は0.16%安でした(Yahoo Finance)
- お金の流れ: ハイテク・コミュニケーション・半導体の製造装置から、ヘルスケア・不動産・公益・金融と小型株へ。米国債の長期ETF(TLT)は0.84%高と債券も買われ、金先物は0.44%安でした(Yahoo Finance)

アゲハ

ドクター
金利・指標の読みです。この日の指標は9月の住宅着工件数で、年率122万戸と予想の130万戸を大きく下回り、8月から5.2%減りました(CNBC)。景気の弱さを示す数字なので、ここだけ見ればハト派寄りの材料です。連想は「長期金利の低下・債券高・ドル安円高・金高・金利に弱い業種に追い風」になります。
結果は半分当たりました。10年債利回りは5.15%から5.12%、30年債利回りは5.48%から5.42%に下がり、TLTは0.84%高です(米財務省・Yahoo Finance)。ドル円も158.52円から158.12円と円高に動きました(Yahoo Finance)。不動産(1.82%高)、公益(1.16%高)、住宅建設(3.21%高)が上げたのも、この連想どおりです(Finviz)。
外れたのは2つです。金先物は0.44%安でした。2年債利回りは4.77%から4.79%に上がっています(米財務省)。CNBCは、FRBが追加の利上げを考えている中での弱い住宅の数字、と書いています。短い金利はまだ「利上げ」を気にしていて、景気の弱さで下がったのは長い金利だけ、という読みです。CME FedWatchでは、来週のFOMCで金利を据え置く確率は82%で、1カ月前の42.4%から上がっています(CNBC)。WTI原油先物は1.8%安の101.79ドルでした(CNBC)。
出典: CNBC(10/20市況ライブ)、CNBC(米国債利回り)、CNBC(3Mの決算)、Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、米財務省(国債利回り)、Yahoo Finance(ラッセル2000)、Yahoo Finance(IWF)、Yahoo Finance(IWD)、Yahoo Finance(TLT)、Yahoo Finance(金先物)、Yahoo Finance(ドル円)
1. 市場全体:ダウと小型株が上げ、ハイテクは横ばい
主要指数の終値は以下のとおりです(CNBC・Yahoo Finance)。

アゲハ

ドクター
- ダウ平均: 1.02%高(529.85ドル高)の52,495.88
- S&P500: 0.28%高の7,712.57
- ナスダック総合: 0.02%安の26,424.82
- ナスダック100: 0.13%安の29,490.28
- ラッセル2000: 1.65%高の2,773.42
S&P500とナスダックは下げて始まりました。寄り付き直後はS&P500が0.2%安、ナスダックが0.4%安です。前の晩に韓国のAI企業Eliceが上場初日に30%超下げ、韓国のKOSPIも3.73%安と、アジアでハイテクが売られた流れを引き継ぎました(CNBC)。そこから決算の良かった銘柄と原油安に支えられ、ダウとS&P500は上げて引けています。午後3時20分の時点で、S&P500の上げた銘柄は414、下げた銘柄は89でした(CNBC)。指数の上げ幅は小さくても、上げた銘柄の数は多い日です。
金利・商品・為替は以下のとおりです。
- 米10年債利回り: 5.12%(前日5.15%)
- 米2年債利回り: 4.79%(前日4.77%)
- 米30年債利回り: 5.42%(前日5.48%)
- WTI原油先物は1.8%安の101.79ドル、ブレント原油先物は0.69%安の108.79ドル(CNBC)
- 金先物は0.44%安の4,141.90ドル(Yahoo Finance)
- ドル円は158.12円、ドル指数は0.26%安の101.72(Yahoo Finance)
- VIXは17.31(前日18.44)と、2日続けて下がった(Yahoo Finance)
AIの借金の心配は続いている
ハイテクは戻りきっていません。CoreWeaveの5年物CDS(債務不履行に備える保険)の上乗せ金利は1,121ベーシスポイントを超え、1週間で17%以上上がりました。CNBCは、1,000を超えると一般に「経営の苦しさ」のサインとされると書いています(CNBC)。株価は取引中に57.24ドルまで下げた後、1.65%高の62.13ドルで引けました(Yahoo Finance)。

アゲハ

ドクター

アゲハ
スイスのABBは、データセンター向けが3桁の伸びで第3四半期の受注が過去最高だったのに、株価は約6%下げました。CEOは「データセンターの建設は減速していない」と話しています(CNBC)。業種別でも、半導体の製造装置が1.81%安、エンジニアリング・建設が2.11%安と下位に並びました(Finviz)。一方で、Western Digitalは3.44%高、Seagate Technologyは2.17%高と、記憶装置の銘柄は戻しています(Yahoo Finance)。
Direxionのジェイク・ベハン氏は「これから数週間で大手クラウド会社が決算を出す。AIへの投資の回収、データセンターへの支出、2027年の設備投資の見通しが、利益の数字より重要になる」と話しています(CNBC)。
引け後のNetflixは下げた
Netflixは引け後に決算を出しました。1株利益は87セントで予想の82セントを上回り、売上高は128億7,000万ドルで予想どおりでした。ただ、2026年通期の売上高の見通しは511億ドルと、前回示した範囲の下の端で、市場予想の512億ドルを下回りました。広告の売上高の見通しも約30億ドルから約27億ドルに下げています。株価は時間外取引で約4%下げました(CNBC)。通常の取引は1.66%安の68.69ドルです(Yahoo Finance)。

アゲハ

ドクター
出典: CNBC(10/20市況ライブ)、CNBC(米国債利回り)、CNBC(Netflixの決算)、米財務省(国債利回り)、Finviz(業種別騰落)、Yahoo Finance(VIX)、Yahoo Finance(ナスダック100)、Yahoo Finance(ドル指数)、Yahoo Finance(CRWV)、Yahoo Finance(NFLX)
2. セクター動向:ヘルスケアと金利に弱い業種が上げ、通信とハイテクが下げ
Finvizのセクター別騰落率は以下のとおりです。

アゲハ

ドクター
- ヘルスケア: 2.46%高
- 不動産: 1.82%高
- 公益: 1.16%高
- 金融: 1.04%高
- 一般消費財: 0.76%高
- 生活必需品: 0.29%高
- エネルギー: 0.16%高
- 資本財: 0.10%高
- 素材: 0.07%安
- テクノロジー: 0.16%安
- コミュニケーション: 0.62%安
前日とほぼ逆の並びです。前日に最も売られた公益が3位に、最も買われた一般消費財は5位に下がりました。読みどころは3つです。
1つ目は、ヘルスケアの全面高です。業種別ではバイオが3.61%高、大手製薬が2.92%高、医療保険が2.83%高でした(Finviz)。Eli Lillyは3.49%高、Merckは3.25%高、UnitedHealthは3.04%高、Pfizerは2.28%高、Johnson & Johnsonは2.19%高です(Yahoo Finance)。
2つ目は、弱い住宅の数字なのに住宅株が上げたことです。業種別では住宅ローンの金融が4.70%高、住宅建設が3.21%高、住宅ローンのREITが2.91%高でした(Finviz)。D.R. Hortonは3.59%高、Lennarは3.66%高です(Yahoo Finance)。景気は弱くても、住宅ローン金利に効く長期金利が下がったことが買いの理由と読めます。
3つ目は、資本財の中の明暗です。セクター全体は0.10%高とほぼ横ばいでしたが、3Mは5.78%高、Northrop Grummanは4.57%高、GE Aerospaceは3.67%安でした(Yahoo Finance)。業種別では航空宇宙・防衛が0.53%安です(Finviz)。同じ業種でも、決算の中身で行き先が分かれています。
出典: Finviz(セクター別騰落)、Finviz(業種別騰落)、Yahoo Finance(LLY)、Yahoo Finance(MRK)、Yahoo Finance(UNH)、Yahoo Finance(DHI)、Yahoo Finance(LEN)、Yahoo Finance(GE)
値動きの大きかった銘柄
終値の騰落はYahoo Finance、理由はCNBCです。
- Equifax: 11.33%高の176.54ドル。第3四半期の調整後の1株利益は2.26ドルで、予想の2.20ドルを上回った。売上高は16億9,000万ドルで予想どおり。2026年の売上高の見通しは引き下げた
- Hasbro: 11.20%高の109.52ドル。第3四半期が予想を上回り、通期の売上高の伸びの見通しも引き上げた
- 3M: 5.78%高の171.37ドル。調整後の1株利益2.50ドルが予想の2.38ドルを上回り、通期の見通しを引き上げた
- Northrop Grumman: 4.57%高の534.00ドル。1株利益7.89ドルが予想の7.18ドルを上回った。売上高111億2,000万ドルは予想の111億4,000万ドルをわずかに下回った
- GE Aerospace: 3.67%安の299.87ドル。利益と売上高は予想を上回り通期の見通しも上げたが、フリーキャッシュフロー20億4,000万ドルが予想の22億ドルに届かなかった
- General Motors: 6.84%安の77.09ドル。決算は予想を上回り、200億ドルの自社株買いも発表したが売られた
出典: CNBC(10/20の取引中の値動き)、CNBC(10/20市況ライブ)、Yahoo Finance(EFX)、Yahoo Finance(HAS)
3. 注目個別銘柄
テクニカルの数字は、Yahoo Financeの日足から筆者が計算した値です(移動平均線は終値の単純平均、RSIは14日、出来高は前日までの20日平均との比較)。

ドクター

アゲハ

ドクター
3M(MMM)
企業概要
工業用の素材・安全用品・電子材料などを手がける会社で、セロハンテープの「Scotch」や付せんの「Post-it」でも知られます。直近12カ月の売上高は251億8,000万ドル、純利益は30億ドルです(StockAnalysis)。
上昇の要因:決算と通期見通しの引き上げ
第3四半期の調整後の売上高は66億ドルで4.2%増、調整後の1株利益は2.50ドルで、前年の2.23ドルから増えました。予想は2.38ドルです。通期の調整後の1株利益の見通しは、8.80〜8.95ドルから9.10〜9.15ドルに上げています。コスト削減と値上げで利益率を守り、データセンターと半導体向けの電子材料が伸びました。一方で、自動車と家電向けの需要は弱いままで、消費者向けの事業も厳しいと書かれています(CNBC)。この日の出来高は約758万株と、20日平均(約290万株)の約2.6倍でした。
バリュエーション(StockAnalysis)
- 時価総額: 883億8,000万ドル
- PER: 30.48倍(予想PER17.84倍)
- PBR: 28.30倍
- 配当利回り: 1.82%(年3.12ドル)
- アナリスト平均目標株価: 186.15ドル(コンセンサス「Buy」)
- 決算: 10月20日に発表済み
テクニカル
- 終値: 171.37ドル(5.78%高)。始値163.00ドル、取引中の高値172.95ドル。始値から大きく上げた陽線
- 出来高は約758万株と、20日平均の約2.6倍
- 移動平均線: 5日165.58ドル、25日165.04ドル、75日169.67ドル、200日160.77ドル。株価は4本すべての上。4本とも上向き
- RSI(14日): 59.86
- 上の抵抗帯: 169.3〜171.0ドル。9月22日(高値169.32ドル)、23日(170.43ドル)、24日(170.75ドル)、25日(170.73ドル)、28日(170.62ドル)、29日(170.98ドル)の6回、ここで上値を止められた。この日、終値で初めて上に抜けた。その上は8月末に窓を開けて下げた173.5〜174.3ドル、さらに上は8月の180〜184ドル台
- 下の抵抗帯: 159.2〜160.3ドル。9月14日(安値160.27ドル)、10月5日(159.92ドル)、8日(159.93ドル)、9日(159.88ドル)、12日(159.21ドル)の5回、ここで下げ止まった。すぐ下に200日線の160.77ドル
- パターン: 9月からの159〜171ドルのレンジを上に抜けた形。段階は「抜けた」。抜けた帯(169.3〜171.0ドル)まで戻って跳ね返されれば「確定」
売買の見方
当てはまるのは「パターン確定型」ですが、今は見送りです。
型どおりに置くと、次のようになります。
- 入値: 171.5ドル(169.3〜171.0ドルの帯まで戻り、陽線で跳ね返されてから)
- 損切り: 164.5ドル(25日線165.04ドルの少し下)
- 利確: 180ドル(8月26日の高値180.67ドルの手前)
- RR: 約1.2(損益分岐の勝率は約45%)
谷の少し下(158.9ドル)に損切りを置くとRRは約0.7まで下がり、25日線の下まで浅くしても1.5に届きません。上には8月末の窓(173.5〜174.3ドル)があり、この日も172.95ドルで止められています。出来高を伴った上抜けで形は良いのですが、利確までの距離が短いのが弱点です。考えを変える条件は2つです。終値で169ドルを割ってレンジの中に戻れば、上抜けは「だまし」と見ます。反対に、174.3ドルの窓を埋めて上で引ければ、利確の目安を8月の高値帯に上げてRRを計算し直します。
出典: CNBC(3Mの決算)、CNBC(10/20の取引中の値動き)、StockAnalysis(MMMバリュエーション)、Yahoo Finance(MMM)
Northrop Grumman(NOC)
企業概要
米国の大手防衛会社で、ステルス爆撃機B-21、宇宙システム、ミサイル防衛などを手がけます。直近12カ月の売上高は435億9,000万ドル、純利益は45億2,000万ドルです(StockAnalysis)。
上昇の要因:受注残が過去最高、見通しも引き上げ
第3四半期の売上高は7%増の111億ドル、1株利益は7.89ドルでした。受注は160億ドルで、売上高に対する受注の比率は1.5倍。受注残は1,100億ドルと過去最高になりました。2026年の見通しは、調整後の1株利益を28.60〜29.10ドルから29.35〜29.75ドルに上げています(Northrop Grummanの決算資料)。売上高は予想をわずかに下回りましたが、利益が予想の7.18ドルを上回りました(CNBC)。出来高は約206万株と、20日平均(約101万株)の約2.0倍です。
バリュエーション(StockAnalysis)
- 時価総額: 758億6,000万ドル
- PER: 16.84倍(予想PER17.99倍)
- PBR: 3.88倍
- 配当利回り: 1.85%(年9.88ドル)
- アナリスト平均目標株価: 619.08ドル(コンセンサス「Buy」)
- 決算: 10月20日に発表済み
テクニカル
- 終値: 534.00ドル(4.57%高)。始値523.64ドル、取引中の高値550.89ドル。高値から約17ドル押し戻され、長い上ヒゲが残った
- 出来高は約206万株と、20日平均の約2.0倍
- 移動平均線: 5日511.97ドル、25日501.22ドル、75日529.70ドル、200日593.48ドル。株価は5日・25日・75日線の上、200日線の下。5日線は上向き、25日・75日・200日線は下向き
- RSI(14日): 62.73
- 上の抵抗帯: 534.3〜536.6ドル。9月14日(高値534.30ドル)、15日(536.62ドル)、16日(534.40ドル)、17日(534.86ドル)の4回止められた。終値はこの帯のすぐ下。その上は9月1日の高値549.77ドルとこの日の高値550.89ドルの帯
- 下の抵抗帯: 502〜509ドル。9月24日(安値508.43ドル)、25日(507.01ドル)、28日(503.94ドル)、29日(502.10ドル)、10月19日(508.50ドル)の5回。そのすぐ下に25日線の501.22ドル。さらに下は10月の470〜474ドル(2日・5日・7日・8日の4回で下げ止まった)
- パターン: 2月の高値774.00ドルからの長い下げの途中で、10月の470〜474ドルを底に戻している。10月8日・12日・13日の高値487ドルを14日に上に抜け、短期の上向きに変わった
売買の見方
当てはまりそうなのは「チャネル押し目型」です。ただし200日線の下での戻りなので、条件付きで見ます。
- 入値: 510ドル(502〜509ドルの帯と25日線まで押して、陽線で反発してから)
- 損切り: 499ドル(帯と25日線501.22ドルの少し下)
- 利確: 548ドル(549.8〜550.9ドルの帯の手前)
- RR: 約3.5(損益分岐の勝率は約22%)
決算を通過した後なので、決算をまたぐ心配はありません。気になるのは、この日の長い上ヒゲです。550ドル台では売りが待っていて、終値も534ドル台の帯に止められています。今すぐ追うのではなく、帯まで押すのを待ちます。考えを変える条件は、終値で499ドルを割ることです。短期の上向きが崩れたと見て、470〜474ドルの底を試す流れに戻ると考えます。
出典: Northrop Grumman(第3四半期の決算資料・SEC)、CNBC(10/20の取引中の値動き)、StockAnalysis(NOCバリュエーション)、Yahoo Finance(NOC)
General Motors(GM)
企業概要
米国最大の自動車メーカーで、シボレー・GMC・キャデラックなどのブランドを持ちます。利益の柱はピックアップトラックとSUVです。直近12カ月の売上高は1,869億5,000万ドル、純利益は48億8,000万ドルです(StockAnalysis)。
下落の要因:予想を上回る決算でも売られた
第3四半期は売上高・利益とも予想を上回りました。トラックの販売とサブスクリプションの売上が伸び、フリーキャッシュフローの見通しを上げ、通期の見通しの幅を狭め、200億ドルの自社株買いも発表しています(期間は示していない)。一方で、原材料のインフレによるコストは約20億ドルと、前回の見通しの上の端になるとしました。CEOのメアリー・バーラ氏も株主への手紙で「インフレの圧力が強まる中で」と書いています(CNBC)。株価は寄り付き前から約7%下げ、6.84%安で引けました。決算のどこが売られたかをはっきり書いた記事は、取得できた中にはありませんでした。出来高は約2,463万株と、20日平均(約685万株)の約3.6倍です。
バリュエーション(StockAnalysis)
- 時価総額: 676億4,000万ドル
- PER: 18.24倍(予想PER5.29倍)
- PBR: 1.15倍
- 配当利回り: 0.93%(年0.72ドル)
- アナリスト平均目標株価: 104.17ドル(コンセンサス「Buy」)
- 決算: 10月20日に発表済み
テクニカル
- 終値: 77.09ドル(6.84%安)。始値77.22ドル、取引中の安値75.10ドル。前日の安値82.34ドルから窓を開けて下げた
- 出来高は約2,463万株と、20日平均の約3.6倍
- 移動平均線: 5日82.10ドル、25日81.93ドル、75日83.55ドル、200日80.68ドル。株価は4本すべての下。5日・25日線は下向き、75日線は上向き、200日線は横ばい
- RSI(14日): 37.13
- 上の抵抗帯: 80.0〜80.7ドル。9月24日(安値80.04ドル)、28日(80.43ドル)の下げ止まりの帯で、200日線の80.68ドルも重なる。その上に、この日開けた窓(78.95〜82.34ドル)
- 下の抵抗帯: 76.4〜77.0ドル。9月30日(安値76.91ドル)、10月1日(76.44ドル)で下げ止まった帯。この日は取引中に75.10ドルまで割り込んだが、終値で帯の上に戻した。その下は6〜7月に週ごとの安値が4回並んだ74.2〜75.4ドル
- パターン: なし。窓を開けた下げの直後で、形はまだできていない
売買の見方
型に当てはまりません(見送り)。
決算で窓を開けて大きな出来高で下げた直後は、1回目の下げ止まりが続かないことがよくあります。仮に「レンジ下限型」で見るなら、74.2〜75.4ドルの帯で陽線の反発を見てから入値75.5ドル・損切り73.5ドル・利確80ドルで、RRは約2.3(損益分岐の勝率は約31%)です。ただ、今は200日線の下で、帯での反発も1回しか試されていません。下の帯で2回目の下げ止まりが出て、RSIの谷が上がる(ダイバージェンス)のを待ちます。考えを変える条件は、終値で74ドルを割ることです。6〜7月の支えも崩れたと見て、計画を取り下げます。
出典: CNBC(10/20市況ライブ)、CNBC(10/20の取引中の値動き)、StockAnalysis(GMバリュエーション)、Yahoo Finance(GM)
4. 本日の戦略:「弱気」を続ける
本日の結論は「弱気」を続けます。前回は「10年債が終値で5.0%を割り、SOXXの戻りが続けば『やや弱気』に戻すことを考える」と決めていました。10年債は5.12%と5.0%を割っておらず、SOXXも0.38%安と戻りが続いていません(米財務省・Yahoo Finance)。どちらの条件も満たしていないので、「やや弱気」には戻しません。「VIXが終値で20を超えるか、10年債が5.35%を終値で超えるなら現金の比率をさらに上げる」の条件にも当たっていません(VIXは17.31)。理由は3つです。

アゲハ

ドクター
1つ目は、金利です。長い金利は下がりましたが、2年債は4.79%と上がりました。CNBCは、FRBが追加の利上げを考えていると書いています。来週にはFOMCとPCE物価指数の発表が控えています(CNBC)。
2つ目は、決算への反応の厳しさです。GMとGE Aerospaceは予想を上回る決算でも売られ、Netflixも時間外で約4%下げました(CNBC)。「良い決算なら買われる」とは言えない地合いです。
3つ目は、AIの借金の心配です。CoreWeaveのCDSは1,121ベーシスポイントを超え、半導体の製造装置の業種は1.81%安でした(CNBC・Finviz)。ナスダックは2日目の戻りに続きませんでした。
一方で、良くなった点もあります。S&P500の上げた銘柄は414と、下げた銘柄(89)を大きく上回り、ラッセル2000も1.65%高です(CNBC・Yahoo Finance)。ハイテク以外にお金が回るなら、相場の土台は広がります。これは次の判断の材料にします。
前回の記事で取り上げた3銘柄の答え合わせです(終値はYahoo Finance)。
- Amazon: 0.07%高の262.63ドル。取引中に265.34ドルまで上げて262.4〜263.7ドルの帯を上に出ましたが、終値は帯の中に戻りました。「終値で264ドル超え」には当たっていません。決算前は見送りを続けます
- Micron: 0.98%安の896.07ドル。取引中の安値は881.52ドルで、844〜862ドルの帯までの押しは来ていません。高値918.89ドルも、902〜921ドルの帯の中で止められました。押しを待ちます
- Wells Fargo: 0.49%高の82.20ドル。83.5〜84.7ドルの帯の下のままです。見送りを続けます
この日の3銘柄への行動は以下のとおりです。
- 3Mは見送ります。上抜けは良い形ですが、RRが1.5に届きません。終値で169ドルを割らずに帯で跳ね返され、174.3ドルの窓を埋めれば計算し直します
- Northrop Grummanは、502〜509ドルの帯での陽線の反発を待ちます。入値510ドル、損切り499ドル、利確548ドルです
- General Motorsは見送ります。74.2〜75.4ドルの帯で2回目の下げ止まりを待ちます
前日までに取り上げた銘柄の続きは以下のとおりです(終値はYahoo Finance)。
- Salesforce: 0.01%安の242.43ドル。取引中に235.60ドルまで下げてから戻し、ネックラインの239〜241ドルの上で2日続けて引けました。損切りの233ドルには届いていません。計画は入値241ドル、損切り233ドル、利確258ドルのままです
- CoreWeave: 1.65%高の62.13ドル。取引中に57.24ドルまで下げて59.5〜60.6ドルの帯を割りましたが、終値では帯の上に戻りました。CDSの上昇が止まるまで見送ります
- TSMC: 1.16%高の425.08ドル。取引中の安値は416.12ドルで、405〜413ドルの帯までの押しは来ていません
- Chevron: 0.60%高の225.71ドル。213〜219ドルの帯への押しは来ていません。見送りを続けます
- AMD: 0.62%安の534.74ドル。計画は取り下げたままです
- Oracle: 1.20%高の131.14ドル。見送りを続けます
- Nvidia: 0.29%安の216.47ドル。押しを待つ方針を続けます
- Microsoft: 0.31%安の531.87ドル。Meta Platforms: 1.59%安の694.25ドル。どちらも決算までは見ません
- テスラ: 1.54%高の373.71ドル。水曜の決算までは見ません
- Palantir: 0.80%安の192.60ドル。下げ止まりを待つ方針は変えません
- Walmart: 0.72%安の117.85ドル。Citigroup: 0.67%高の122.51ドル。Bank of America: 0.50%高の50.64ドル。どれも見送りを続けます
監視項目は以下の5つです。10年債の5.0%と5.35%、2年債の向き、VIXの20、CoreWeaveのCDSの1,000ベーシスポイント、WTI原油の100ドルを見ます。今週はテスラが水曜に決算を出し(CNBC)、木曜には新規失業保険申請件数が出ます(CNBC)。10年債が終値で5.0%を割り、上げた銘柄の多さとラッセル2000の上げが続けば、「やや弱気」に戻すことを考えます。
出典: CNBC(10/20市況ライブ)、CNBC(米国債利回り)、CNBC(Netflixの決算)、CNBC(来週の決算)、Yahoo Finance(SOXX)、Yahoo Finance(AMZN)、Yahoo Finance(MU)、Yahoo Finance(WFC)、Yahoo Finance(CRM)、Yahoo Finance(TSM)
5. 100万円チャレンジ(デモ口座)
AIがデモ口座(仮想資金100万円)で実際に売買している記録です。デモ口座での売買で、投資助言ではありません。米国株を買いだけで売買し、損切りと利確の価格を入る前に決めています。

アゲハ

ドクター

アゲハ
成績(SBI証券の手数料込み)
- 評価額: 1,002,432円(手数料抜きは1,018,237円)
- 累計損益: 2,432円のプラス、0.24%のプラス(手数料抜きは18,237円のプラス、1.82%のプラス)
- 決済: 3回で1勝2敗、勝率33.3%
- 手数料込みの数字には、保有中の2銘柄を決済する時の手数料の見込み3,436円も入っています
今朝のAIの判断
10月20日の朝(日本時間7時32分)のAIの見立ては「慎重」で、注文は1件だけに絞りました。AIの言葉では「指数は200日線の上で、昨日はグロースに資金が戻った。一方SPYは25日線の下でRSIは47と中立、10年債5.1%台の高金利も続いていて、上昇トレンドが戻ったとはまだ言えない」。決算シーズンで候補の半数が決算まで10日以内だったことも、件数を絞った理由に挙げています。
候補10銘柄を見て、採用はPfizerの1件でした。
- 採用 Pfizer(パターン確定型=m100の型B): ダブルボトムのネックライン28.95ドルと、抵抗帯28.74〜29.21ドルが重なる29.05ドルまで押したら指値で買う計画です。決め手は「ネックラインと抵抗帯が重なる所への戻りで、手数料込みのRRも約1.6ある」こと。RSIが67と高めで、ヘルスケアの業種が弱いことはリスクとして書いています。決算(11月3日)の前に手仕舞い、終値で28.6ドルを割るか、11月2日までに約定しなければ取り消します
- 決算が近くて見送り: Microsoft・Gilead Sciences・ServiceNow・Linde・Texas Instrumentsの5銘柄。Microsoftは「チャネルの下の線・抵抗帯・25日線が重なる」と形は評価しつつ、10月28日の決算を優先しました。Texas Instrumentsは決算が翌日です
- 手数料込みのRRが足りずに見送り: Salesforceは損切り幅2.6%で利確の249ドルまでが近く、RRは約1.1。Targetは約1.0、Analog Devicesは損切り幅が6.6%と深く約1.35で、どれも基準の1.5に届きません
- 形が崩れて見送り: AMDはチャネルの下の線546.8ドルを割り、25日線594ドルも大きく下回っています。「546ドルを回復して終値で定着するか、517〜530ドルの帯で下ヒゲの陽線を確認できれば入る」としています
リスク規則(手数料込みRR・損失1%・決算前)で外れた計画はありませんでした。
夜中の約定・決済
- Pfizerの指値(29.05ドル)は約定していません。この日のPfizerは取引中の安値が29.59ドルで、2.28%高の30.11ドルで引けました(Yahoo Finance)。注文は残っています
- 損切り・利確での決済もありません
保有中
- Amazon(チャネル押し目型=m100の型A): 入値254ドル、損切り246.4ドル、利確274.5ドル(含み益は手数料抜きで8,190円)
- Deere(チャネル押し目型=m100の型A): 入値647.82ドル、損切り613.5ドル、利確718ドル(含み損は手数料抜きで2,471円)
一言の振り返り
朝のAIは「ヘルスケアは前日に売られて弱い」と見ていましたが、この日のヘルスケアは2.46%高と一番強いセクターになりました。Pfizerも押さずに上がったので、押し目を待つ指値は置いていかれています。ただ、高いところを追いかけずに、決めた価格まで待つのが型のルールです。届かなかった注文は、取り消しの条件(終値で28.6ドル割れ・11月2日まで)に従って扱います。保有中の2銘柄はどちらも損切りと利確の間にあり、この日に動きはありませんでした。